基本原理編 「いまさら聞けない」をここで解決!温度・湿度・電気などの基本知識集

静電気の基本

静電気と湿度について

業務に様々な弊害をもたらす静電気。
湿度を適切に管理することで
静電気の発生を防ぐことができます。

冬場にしばしば嫌な思いをさせられる静電気ですが、静電気の弊害はこれだけではありません。
製造業の現場などでは、工程や製品に特に重大な障害を引き起こすことも考えられます。
静電気は冬、空気が乾燥している時期に多く発生するイメージがありますが、実際には季節を問わず身近に発生しています。
静電気はいくつかの条件が重なって生じますが、その条件の中で最も重要な要素が「湿度」です。
この巻では、静電気と湿度の関係について解説し、静電気の発生を抑える湿度管理の方法をご紹介いたします。

静電気の基本

静電気は製品の破壊、機器のトラブル、発火・爆発の原因にも。

静電気と帯電

帯電例

静電気とは物体が帯電している状態または帯電している電気(電荷)そのもののこと。
また、帯電とは物体が電気的にプラスまたはマイナスがあり、物質によってプラスに帯電しやすいものとマイナスに帯電しやすいものがあります。
それぞれの電性に帯電しやすい物質の順番を示したものを「帯電列」といいます。
帯電列の中の2つの物質をこすり合わせたとき、プラス側のものがプラスの、マイナス側のものがマイナスに帯電しやすい、ということになります。
また、発生する静電気は2つの物質が列の中で離れているほど大きいことが分かっています。


静電気発生の状況

静電気には「剥離帯電」「摩擦帯電」「接触帯電」の3種類があり、それぞれの発生状況は以下の通りです。

種類 発生理由 事例
剥離帯電 重なりあった2つの物体が剥離する際に発生する。 重なったフィルムを剥がすときに発生する。
摩擦帯電 2つの物体を摩擦、または接触させると発生する。 下敷きで頭をこすると、髪の毛がくっつく。
接触帯電 ものとものとが触れ合う事で発生する。 冬場の静電気放電ショック。

生産現場や評価環境での静電気の弊害

意図的ではない静電気の発生は生産現場や評価環境で様々な弊害をもたらします。

項目 内容
ゴミの付着 静電気が発生し、埃やゴミは製品に付着する。
静電破壊 帯電した静電気の放電現象により、製品が破壊される。
塗装印刷不良 静電気により、塗装や印刷などにムラが生じる。
生産効率の低下 設備にフィルムがくっつき、フィーダーが詰まるなど、生産効率を低下させる。
また、ノイズが発生し、設備の誤作動を起こす場合もある。
発火 静電気放電により、火災や爆発が起こる。
電撃2次災害 静電気放電ショックにより、2次災害(作業者が驚いて物を落とす、足を滑らすなど)の発生。
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