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制御盤用クーラーの選び方

制御盤用クーラーの選び方

制御盤用クーラーを選定する際は、制御盤内を希望温度に保つために必要な冷却能力を確認します。必要冷却能力は、盤内の発熱量、周囲温度、盤内希望温度、設置場所などによって変わります。

1.制御盤クーラー選定方法[屋内設置]

制御盤内を希望温度にするために必要な冷却能力は、下記の式で算出できます。

制御盤内総発熱量や熱通過率などの数値がお分かりの場合は、機種選定ガイドで必要な冷却能力を簡単に算出いただけます。

①制御盤内総発熱量

盤内に収納されている機器の発熱量の合計。
※各機器の発熱量は ⇒機器別発熱量一覧表 を参照ください。

② 熱通過率

盤外から盤内へ侵入しようとする熱の通過率。
板金種類や板厚で変化しますが、板厚2mmの鋼鈑では約5[W/m2・℃]となります。

③ 最高周囲温度

設置される環境において最も高いと想定される温度。
真夏など、制御盤を設置する環境で最も高いと想定される温度を確認します。

④ 盤内希望温度

希望される盤内温度(推奨温度は35℃です)。
盤内希望温度を低く設定しすぎると、結露が発生しやすくなる上、冷却を行う時間が長くなり消費電力も増加します。

⑤ 制御盤有効表面積

対象制御盤の大気と接触する全ての面の表面積合計。自立盤の場合は底面を除いた表面積。
壁付けの場合は、背面など大気と接触しない面を除いて算出します。

2.制御盤クーラー選定方法[屋外設置]

屋外設置の場合には、1.制御盤クーラー選定方法[屋内設置]で算出した屋内設置の制御盤クーラーの選定結果に太陽光からのエネルギー量を加えて選定します。

必要冷却能力[W]
= 総日射侵入熱量 + 屋内盤としたときの必要冷却能力(1.制御盤クーラー選定方法[屋内設置]を参照)

総日射侵入熱量の求め方

1)日射による侵入熱量を計算します。

日射量は設置場所、日付、時間、方位によって異なります。

★各面の日射量サンプルデータ(東京地区、7/22快晴) 単位W/m²

  天面 北面 東面 南面 西面
11時 1026.7 302.8 302.8 305.1 77.3
12時 1064.0 78.3 78.3 325.9 78.3
13時 1043.0 78.8 78.8 310.1 307.7
14時 980.2 79.1 79.1 261.7 523.3
15時 872.1 80.7 80.7 179.8 715.3

このため各面ごとに計算して、その総和が必要な日射侵入熱量となります。各面の日射熱量は下記の計算式によって求められます。

総日射侵入熱量=各面の筐体表面上昇温度(相当外気温度上昇)×熱通過率×各面の表面積
相当外気温度上昇[℃] =
各面の日射量[W/m²] ×
太陽吸収率筐体外表面熱伝達率[W/m²・℃]
語句説明
  • 「熱通過率(W/m²・℃)」・・・周囲温度(筐体表面上昇温度)と希望温度の温度差がある時、熱伝導により侵入(又は放熱)する熱量の対面積比率 制御盤の板厚、材質により変動しますが、盤用熱関連機器工業会で5~6W/m²・℃と規定されています。
  • 「筐体外側の熱伝達率(W/m²・℃)」・・・無風時のときで約10W/m²・℃、風速1~2m/sのときで約15W/m²・℃と考えられます。風速が高いほど熱伝達率は大きくなります。
  • 「筐体表面上昇温度(相当外気温度上昇)」・・・日射による気温の等価温度上昇のことです。

以上のことから、設置される地域、盤表面の色・状態、盤外壁の状態(厚み・2重構造・日除け板の設置etc.)、盤外を対流する風の状態などによって変動することがわかります。

例として下記条件の制御盤で計算してみます。

◎高さ2000mm、幅1000mm、奥行500mm◎扉面南向き◎東京地区、7月22日、快晴、14時、無風状態◎板厚2mm、塗装色:ライトベージュ、壁面は1重構造

面の位置 日射量
(W/m²)
太陽吸収率 筐体外面
熱伝達率
(W/m²・℃)
相当外気
温度上昇
(℃)
熱通過率
(W/m²・℃)
面の面積(m²) 日射熱量(W)
天面 980.2 0.5 10 49.01 5 0.5 122.5
北面 79.1 0.5 10 3.955 5 2 39.6
東面 79.1 0.5 10 3.955 5 1 19.8
南面 261.7 0.5 10 13.085 5 2 130.9
西面 523.3 0.5 10 26.165 5 1 130.8
総日射侵入熱量 443.6

注意! 使用年月とともに盤の表面がくすんで来たりすると吸収率が変化しますので、安全率を見た選定が必要です。

2)上記必要冷却能力を各制御盤クーラーの能力特性グラフに当てはめて選定してください。

《選定についての注意》

  1. インバーターやサーボアンプなどは、その使用方法・モータートルクなどによって発熱量が大きく変動しますのでご注意ください。
  2. 定格出力50kw以上のインバーターについては、メーカーによって発熱量が大きく異なりますので、メーカーにご確認ください。
  3. 機種を選定する際には、必要定格能力及び必要冷却能力を上回る機種を選定してください。
  4. 上記の計算式によって算出された能力は目安であり、絶対値ではありませんのでご注意ください。
  5. 制御盤の密閉性・発熱体との位置・盤内の対流によっては期待される冷却能力が得られない場合がありますので、十分にご注意ください。
  6. フィルターの汚れやファンモーターの劣化等によって、冷却能力の低下に繋がる場合がありますので定期的なメンテナンスをしてください。

機器別発熱量一覧

1.電源・変圧機器類

盤内収納機器 発熱量(目安値) 備考
変圧器 定格容量
~100VA 15%程度
~300VA 10%程度
~500VA 8%程度
~1kVA 7%程度
~3kVA 5%程度
~5kVA 4%程度
~10kVA 3%程度
~50kVA 2.5%程度
~100kVA 2%程度
  • 種類:複巻トランス、絶縁トランス
  • 損失=発熱量と みなす。
  • 小型ほど発熱比率が大きくなる。
電圧調整器 定格容量
~500VA 10%程度
~1kVA 7%程度
~40kVA 5%程度
  • 種類:スライドトランス(手動)
  • 損失=発熱量と みなす。
  • 小型ほど発熱比率が大きくなる。
交流電源
安定化電源
定格出力容量
~5kVA 20%程度
~10kVA 15%程度
  • 損失=発熱量と みなす。
無停電電源装置
(UPS)
定格出力容量の 10~15%程度
  • 小型ほど発熱比率が大きくなる。
  • 発熱量は蓄電池浮動充電状態での値。
  • 常時インバーター給電タイプ。
直流安定化電源
(スイッチングレギュレーター)
定格出力容量
~6kW

20~30%程度

~15kW 10~15%程度
  • 定格出力容量100%のときの発熱量。
  • 小型ほど発熱比率が大きくなる。
低圧コンデンサー 定格容量の0.15~0.2%程度
  • 損失=発熱量と みなす。
  • 定格容量(kvar)は、コンデンサ容量と 電源電圧より換算。
    100V 50Hz 時 1kvar=318.3μF
    100V 60Hz 時 1kvar=265.3μF
鉛蓄電池 Q(W)=I×V×n
  • この算出による発熱は充電時のみに該当する。
  • Q:発熱量(W)
  • I:充電電流(A)
  • V:充電電圧(V)
  • n:セル数

2.増幅器類

盤内収納機器 発熱量(目安値) 備考
ACサーボアンプ 定格出力
~0.1kVA 40%程度
~0.5kVA 10%程度
~1kVA 8%程度
~3kVA 5%程度
~5kVA 4%程度
~11kVA 3.5%程度
~22kVA 3%程度
  • サーボアンプ1台当り、定格出力100%のときの発熱量。
  • 小型ほど発熱比率が大きくなる。
  • 電源内蔵タイプ。
インバーター 定格出力
~0.4kW 12.5%程度
~0.75kW 11%程度
~1.5kW 8%程度
~2.2kW 7%程度
~3.7kW 6%程度
~7.5kW 6%程度
~11kW 5%程度
~22kW 4.5%程度
~30kW 4%程度
  • 定格出力100%のときの発熱量。
  • 小型ほど発熱比率が大きくなる。
  • 連続定格出力時。
  • 負荷率と使用率が低下すると発熱量は減少するため、メーカーの仕様に従い算出する。
大型インバーター
(200V系)
定格出力
~37kW 1400W程度
~45kW 1800W程度
~55kW 2400W程度
~75kW 2500W程度
~90kW 2800W程度
 
大型インバーター
(400V系)
定格出力
~37kW 1600W程度
~45kW 2000W程度
~55kW 2200W程度
~75kW 2400W程度
~90kW 2500W程度
  • 定格出力100%のときの発熱量。
  • 小型ほど発熱比率が大きくなる。
  • 連測定格出力時。
  • 負荷率と使用率が低下すると発熱量は減少するためメーカーの仕様に従い算出する。
サイリスター 定格電流
  単相 三相
~25A 50W程度 90W程度
~35A 55W程度 115W程度
~50A 75W程度 175W程度
~75A 110W程度 250W程度
~100A 120W程度 320W程度
~150A 200W程度 520W程度
~250A 350W程度 930W程度
~350A 400W程度 1150W程度
~450A 520W程度 1600W程度
~600A 700W程度 2000W程度
  • 発熱量表記。
  • 単相よりも三相の方が発熱量は大きい。
パワーコンディショナー 定格出力(kW) ×(1-電力変換効率%/100)
  • 種類:産業用。

3.配線用機器類

盤内収納機器 発熱量(目安値) 備考
配線用遮断器
(MCCB)
定格電流
~20A 5W程度
~50A 10W程度
~100A 15W程度
~225A 35W程度
~400A 85W程度
~600A 110W程度
~800A 135W程度
  • 定格電流100%のときの発熱量。
  • 極数に比例する。
  • 3Pの場合。
漏電遮断器(ELCB) 定格電流
~225A MCCB+5W程度
~400A MCCB+10W程度
~600A MCCB+35W程度
~800A MCCB+65W程度
  (漏電電子回路部等)
  • 漏電電子回路部は、極数に無関係。
電磁接触器 定格容量
~4kW 7W程度
~11kW 15W程度
~22kW 30W程度
~37kW 50W程度
~55kW 90W程度
~110kW 200W程度
~160kW 340W程度
~200kW 460W程度
  • 定格電流100%の時の発熱量。
  • 3Pの場合。
  • AC220Vの場合。
熱動形過負荷継電器
(サーマル)
定格電流
~15A 2W/極程度
~30A 3W/極程度
~100A 7W/極程度
~150A 9W/極程度
~450A 12W/極程度
~600A 13W/極程度
  • 整定電流最大値を通電時の発熱量。
電磁継電器 4W程度
  • 定格電流100%のときの発熱量。

4.制御用機器類

盤内収納機器 発熱量(目安値) 備考
小型リレー
ミニリレー :1個当り 1W~2W程度
パワーリレー :1個当り 2W~3W程度
コイルの消費電力を発熱量とみなす。
ソリッドステートリレー
(SSR)
単相用:発熱量W= 出力ON 電圧降下V×負荷電流A
3相用:発熱量W= 出力ON 電圧降下V×負荷電流A×素子数
出力ON電圧下降:1.6~1.8V程度。
温度調節計 消費電力を発熱量とみなす。  
PLC 一体型 PLC(オールインワンタイプ) :消費電力を発熱量とみなす。
参考(増設/拡張性が少ないもの)
・AC電源の場合
I/O点数 10~32 20~35W程度
  32~64 35~50W程度
  64以上 I/O点数×0.7W~1W程度
・DC電源の場合
I/O点数 10~32 20W以下
  32以上 I/O点数×0.5W程度

その他の PLC
(ベース 、電源、CPU ユニット構成):電源ユニットの消費電力を 消費電力とみなす
  • 各ユニットの内部消費電流からみた消費電力を参考にする。
  • 1スロット当りの発熱量は6W程度。

5.情報通信機器類

盤内収納機器 発熱量(目安値) 備考
パソコン本体 消費電力を発熱量とみなす。  
モニター  
サーバー  
スイッチングハブ  
ルーター  
メディアコンバーター  
ブースター 消費電力-送信出力  
表示器 LED表示器:消費電力×0.7程度
液晶:消費電力を発熱量とみなす。
 

6.その他

盤内収納機器 発熱量(目安値) 備考
ファンモーター
φ90サイズ 10W程度
φ120サイズ 20W程度
φ140サイズ 40W程度
φ180サイズ 55W程度
φ150サイズ 55W程度
  • 定格入力を発熱量とみなす。
  • 軸流ファンモーターの場合。
  • AC入力の場合。
  • サイズはフレームサイズ。

備考
(1)定格容量(VA)、定格出力(VA)から求める場合、割合(%)を掛けた値が発熱量(W)となります。
(2)実際の発熱量は各種機器により差がありますので、各メーカーのカタログ・技術資料等での確認が必要です。
(3)配線やその他の小物部品等も発熱源となりますので考慮が必要です。

アピステの制御盤用クーラーの商品情報はこちらからご覧ください。

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