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周辺情報

1-3.切削油剤の種類

切削油剤の種類と各種類の油剤の特徴と分類について説明しています。

(1)不水溶性切削油と水溶性切削油

不水溶性と水溶性、大きく分けて二つに

前回にも少し触れましたが、切削油剤は大きく分けると、水で希釈せずに使用する不水溶性切削油剤と稀釈して使用する水溶性切削油剤に分けられます。

不水溶性油剤の特徴

  • 腐食しやすい非鉄金属などの軽切削に適している。
  • 潤滑性や抗溶着性に優れているため構成刃先を抑制し精度が要求される合金鋼や難削材の加工に適している。
  • 可燃性のため切削時や保管時に取り扱いに注意が必要。消防法の適用を受ける。
  •  高温になり油煙が発生しやすくオイルミスト対策が必要。


     

水溶性油剤の特徴

  • 冷却効果が高く、高速での切削に適している。
  • 被削材や工具などのさび止め対策が必要。
  • 管理にはバクテリア等による腐敗劣化対策が必要。
  • 不燃性のため工場の無人化などに適している。消防法の適用を受けない※。
  • 水で稀釈するためコストパフォーマンスが高い。
    ※全ての水溶性油剤が消防法の適用を受けないわけではありません。



     

(2)不水溶性切削油の特徴と分類

成分は基油(ベースオイル)+添加剤

基油の主成分は鉱油となりますが、その他に合成油、脂肪酸から構成されています。

鉱油とは

原油を圧縮蒸留し、不純物などを精製除去した油分です。流体潤滑性能があり、鉱油のみでも軽切削であれば加工が可能です。

合成油とは

合成潤滑油とも言われ、鉱油が持っていない性能を補完するために化学的に合成された化合物です。潤滑性に優れています。

脂肪酸とは

油脂とも言われ、常温で液体のものです。菜種油、ひまし油、パーム油などが使われます。生分解性に優れているため、環境に配慮するために適用が進んでいます。

添加剤は、基油の性能を回復させたり補ったり、あるいは特定の性能を与えるために使われます。

添加剤一覧

添加剤 配合物 効果
油性剤 脂肪油、脂肪酸、エステル、高級アルコール 摩擦、摩耗減少
極圧添加剤 硫黄系化合物、リン系化合物、有機系金属化合物 摩擦、摩耗、焼き付き防止
酸化防止剤 硫黄系化合物、フェノール系化合物、アミン系化合物 酸化防止
さび止め剤 スルホン酸塩、カルボン酸塩 さびの発生防止
腐食防止剤 ベンゾトリアゾール、硫黄系化合物 腐食防止
腐食防止 高分子化合物 油剤のミスト化抑制
流動点降下剤 高分子化合物 鉱油の流動性保持
粘度指数向上剤 高分子化合物 鉱油の贈粘効果向上
消泡剤 シリコーン油 泡の破壊と発生の防止

JIS規格での分類

不水溶性油剤は、極圧添加剤を含んでいるかいないかと銅板腐食によって「N1」から「N4」に分類されています。
極圧添加剤とは、摩擦面間の油膜強度を高め、摩擦や摩耗を低減して潤滑面の焼き付きを防止する添加剤です。
また、銅板腐食とは、銅板の腐食性を試験によって調べ判定した基準で、「1」であれば銅板が「わずかに変色」、「2」は「中程度の変色」、「3」は「濃く変色」、「4」は「腐食」となります。

  極圧添加剤 銅板腐食 鉱油割合 用途
油性形
N1極(1~4号)
なし 60~95% 銅などの非鉄金属や鋳鉄の加工
不活性極圧形
N2極(1~4号)
あり 150℃で2未満 30~95% 一般的な切削加工

不活性極圧形
N2極(1~8号)

あり
(硫黄分を含む)
100℃で2以下
150℃で2以上
30~95% 一般的な切削加工
重切削加工
難削材の切削加工
活性極圧形
N4極(1~8号)
あり
(硫黄分を含む)
100℃で3以上 30~95% 重切削加工
難削材の切削加工

 

また、「N1」~「N4」は、硫黄分や脂肪油分、動粘度により、それぞれさらに細分化され、「N1」「N2」は1~4号、「N3」「N4」は1~8号に分類されます。

(3)水溶性切削油の特徴と分類

界面活性剤で「水と油」を混ぜる

水溶性切削油剤は、界面活性剤を利用することで、本来混ざることのない「水と油」を結びつけ混ぜています。
「界面」とは、性質が違う二つの物質の表面どうしが作る境界面のことで、水と油の間にも界面が存在します。
「界面活性剤」は、この「界面」に作用して界面の性質を変化させる物質のことです。JIS規格では、「水に不溶の液体を乳化したり、粉末・固体を水中に分散させたり、繊維や金属の汚れを洗浄したりする作用などを営む合成物質」と定義しています。例えば、身近なものでは、石鹸や洗剤も界面活性剤が含まれています。

JIS規格での分類と一般的な分類

水溶性油剤は、希釈した際の外観や、成分の水への溶解性などにより「A1」から「A3」に分類されています。ただし一般的には、通称で「エマルションタイプ」「マイクロエマルションタイプ」「ソリューブルタイプ」「ケミカルソリューションタイプ」に分類されています。
界面活性剤によって均一に混じり合っても油性物質が大きい場合は白濁し、その状態をエマルション(乳化)タイプと呼び、逆に油性物質が小さく光が透過する場合は透明になり、ソリューブル(溶ける)タイプと呼びます。

JIS分類 通称 外観 特徴
A1種
(1・2号)
エマルションタイプ 乳白色 潤滑性が大きく低速重切削に効果。
塗装や手荒れへの影響も少。
マイクロエマルションタイプ 乳白色
(やや透明感)
A2種
(1・2号)
ソリューブルタイプ 透明
半透明
(着色する場合あり)
浸透性が大きく高速軽切削に効果。
種類により塗装への影響が大。
A3種
(1・2号)
ケミカルソリューションタイプ 透明
(着色する場合あり)
防さびに優れ、腐敗も少。
種類により塗装や手荒れへの影響がやや大。

 

前の項目:1-2.切削油剤とその効果
次の項目:1-4.切削油剤の選び方

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