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世界の持続可能な生産と消費 SDGs~目標12.つくる責任つかう責任~

世界の持続可能な生産と消費 SDGs~目標12.つくる責任つかう責任~

2015年に国連が採択した持続可能な開発目標(SDGs)の目標12には、「つくる責任つかう責任」という内容が設定されています。

私たちの生活はさまざまな資源を使うことで成り立っていますが、そのほとんどは有限です。現在のような消費を続ければ資源はいずれ枯渇し、生活や経済活動に大きな影響を及ぼします。

限りある資源を有効に使い、将来的に安定した資源を供給し続けるにはどうすればいいのでしょうか。世界の課題と、いま求められているものを見ていきましょう。

1.「SDGs目標12.つくる責任つかう責任」とは?

SDGsではこの「つくる責任つかう責任」という目標を達成するために11項目のターゲットを設定しています。その中から、消費と生産に関する5つのターゲットを簡単にご紹介します。

・開発途上国の開発状況や能力に配慮しながら、10年計画による持続可能な消費・生産体制を構築する。先進国主導の下、すべての国々で対策を講じる。
・2030年までに、世界中の天然資源の持続可能な管理および効率的な利用を達成する。
・2020年までに、国際的な枠組みに従い、製品サイクルを通じて化学物質や廃棄物の適正な管理を実現する。健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の放出を大幅に削減する。
・大企業や多国籍企業に対し、持続可能な取り組みの導入と、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むことを奨励する。
・2030年までに、人々があらゆる場所で、持続可能な開発と自然に調和したライフスタイルの情報と意識を持つようにする。

これらのターゲットは、資源や環境が持続可能である生産体制づくりを企業側に求め、消費者においても持続性について理解し、ライフスタイルに取り入れることが求められています。

また、予算や技術力に乏しい開発途上国を先進国が支援するべきだとしています。

2.持続可能な生産と消費

現在の生活を見てみると、ほとんどが限りある資源の上に成り立っていることがわかります。

例えば、化石燃料が発電や自動車などの燃料として多く使われていますが、これらの燃料は近い未来に枯渇するとも言われており、永遠に使い続けられるものではありません。

また、生産活動で生まれる廃棄物などによる環境汚染も深刻な問題です。化学薬品や農薬などによる水質汚染は、生態系を乱すだけでなく、水資源までも不足させる事態を招きかねません。

他にも、世界の食料資源の不足も大きな問題となっています。

「世界の食料安全保障と栄養の現状」の報告によれば、2018年時点で飢餓に苦しむ人は世界で8億2000万人とされ、今後も増え続ける恐れがあります。

国連広報センターによれば、世界の人口は確実に増え続けており、2050年には100億人に迫ると予測されています。そして、現在の地球上の資源では、すべての人をまかなうだけのエネルギーや食料の確保は不可能だと言われているのです。

これらのリスクを回避するために、世界がひとつになって現在の消費・生産活動を改めなければなりません。

3.不足する水・エネルギー資源

前述のとおり、現在のような消費を続けた場合、地球上の資源が不足すると言われていますが、いまいちイメージできないという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、水とエネルギーを例に不足する背景をご紹介します。

水資源の不足

地球の2/3は水で占められており、河川や湖、大気中の水蒸気まで合わせるとその合計は14億km³にもなります。しかし、そのほとんどは塩分を含んだ海水であり、私たちが利用できる淡水は全水量の2.5%です。

さらに、その淡水の7割は南極や北極で氷として存在しているため、実際に利用できる水は、全水分量の0.75%しかありません。そしてこの中には地下水や水蒸気が含まれているため、今利用できる水として存在しているのはわずか0.02%になります。

つまり、豊富な水資源に囲まれているように感じられる地球ですが、実際は地球に存在する水のうち0.02%の真水を世界中で分け合って生活していることになるのです。

しかし、世界には日本のような水が豊富な国もあれば、汚水を飲まなければ生きていけない開発途上国もあり、水資源とその整備状況に大きな差があります。すべての人が安全できれいな水を利用するためには、効率的な水利用やインフラの設備が求められます。

エネルギー資源の不足

資源問題を考える際に重要な指標の1つに「エコロジカル・フットプリント」があります。これは、人が環境に与える負荷を土地に換算したものであり、「牧草地・森林・漁場・耕作地・生産阻害地・Co2吸収地」という6種類の土地を使って、環境への負荷を土地面積で表しています。

単位はgha(グローバルヘクタール)と呼ばれるものを使用し、地球の生産力や廃棄物の収容力の平均的な能力を1ha(ヘクタール)分に換算して理念上の面積として数値で表します。

この指標を提供しているWWF(世界自然保護基金)によると、2014年時点の人類の活動で206億gha分の資源を利用しているのに対し、地球資源のキャパシティは122億ghaと大きく不足していることが分っています。

もし、2014年時点の活動を続けていく場合、地球資源が1.7個分必要になる計算になります。また、この数値は先進国の方が高い傾向にあり、例えば日本と同じ生活を世界人口で行おうとすると地球3個分の資源が必要になるとされています。

また、同じような指標の1つに天然資源の採掘量を表す「マテリアルフットプリント」というものがあり、こちらの数値からも資源不足を予測することができます。

マテリアルフットプリントは、消費に必要な天然資源量を指し、バイオマスや化石燃料、金属鉱石、非金属鉱石の採掘の合計を、年間一人当たりのトン数で測定します。

世界各国の統計データをまとめているOur World in Dataによると、2000年のマテリアルフットプリントが8.28トンであるのに対し、2017年には12.18トンにまで増大しています。これは、天然資源使用量の増加を意味しており、エネルギー資源の転換や効率的な資源活用など大幅な改善と世界的な対策が緊急課題と言えるでしょう。

4.開発途上国と先進国に求められること

開発途上国の発展では、古いテクノロジーが利用されることが多く、エネルギー効率が悪く、廃棄物や環境負荷も大きくなると予想されます。

そのため、開発途上国の天然資源の消費量がさらに上昇すれば、先進国が行っているエネルギー転換や効率化の効果が相殺されると危惧されています。

こういった問題の解決にむけて、先進国が率先して最新技術やノウハウを提供することが必要だとSDGsは訴えているのです。

開発途上国においても、コストや難易度といったさまざまな課題を踏まえながらも、積極的に先進国の技術を導入することが求められています。

5.まとめ

2050年には100億人に迫るという世界人口。化石燃料、水、空気などの天然資源の枯渇や食料資源の不足は、世界の重要課題です。

持続可能なエネルギーへの転換や効率的な消費、海洋資源を守る汚染対策が必要とされる中、経済発展の最中にある開発途上国では、資源の消費が増え続けています。

世界的に持続可能な生産を支えるためには、先進国が資金や技術提供を行い、途上国の開発活動を効率化させるなどの援助が必要とされています。

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