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アピステコラム

水質汚染

水質汚染・水質汚濁の原因物質と影響

水質汚染・水質汚濁の原因物質と影響

私たちが生活するために水は必要不可欠ですが、その生活排水による水質汚染が大きな問題となっています。

水質汚染はどのような物質が原因となり、生態系や人体にどういった悪影響があるのでしょうか?

今回は、水質汚染を「3つの原因」に分けて、ご紹介していきます。

1. 水質汚染の原因は3つ

水質汚染は以下の3つの種類に分けられます。

・有機汚濁
・富栄養化
・有害物質

このうち、有機汚濁と富栄養化は「水質汚濁」、有害物質は「水質汚染」に分類されます。次の章で詳しく解説します。

2. 有機汚濁の原因物

まず「有機汚濁」について 、「原因物質」「汚濁のメカニズム」「度合」の3つの視点から解説します。

原因物質

有機汚濁の原因物質は「有機物」です。 川や湖沼・海に流れ込む有機物は、虫の死骸や落ち葉といった自然界で発生するものから、米のとぎ汁のように人間によって排出されるものまで様々です。

また、家庭や飲食店などの排水に含まれる食べ残しは、多量の有機物となります。

汚濁のメカニズム

川や海には自浄作用があり、一定量の有機物は、水中にいるバクテリアなどの微生物の餌となって分解され、無機物に変わります。

しかし、有機物が多すぎると、分解に必要な酸素の供給が追いつかず、微生物が活動できなくなります。そうなると、硫化水素やアンモニアを発生させる別の種類の微生物が活動を始め、川や海に悪臭や汚濁が見られるようになります。

また、微生物が大量の有機物を分解するために水中の酸素を減少させると、生物が棲めなくなり生態系が崩れる原因にも繋がります。

度合

川や湖沼・海の有機物による汚濁の度合は「BOD(生物化学的酸素要求量)」によって知ることができます。有機物は、バクテリアなどの微生物が酸素を使って分解するため、有機物の分解に使う酸素の量を計ることで、水の汚れ具合が調べられます。

BODは、対象の水を気温20度の真っ暗な場所に5日間置き、使われた酸素量を計測します。このBODの数値が高いほど、水が汚濁していることになります。

3. 富栄養化の原因物質

次に、「富栄養化」について 「原因物質」「汚濁のメカニズム」「度合」の3つの視点から解説します。

原因物質

富栄養化の原因物質は「窒素」と「リン」です。富栄養化(ふえいようか)とは、水中の植物プランクトンの栄養(窒素とリン)が豊富にある状態を指します。

窒素とリンの発生源は半数以上が生活排水であり、トイレ、洗濯、台所が主な排出源として挙げられます。他にも、家畜のし尿・田畑の化学肥料なども発生源となっています。

汚濁のメカニズム

「窒素」や「リン」が増えすぎると、それを養分にしている植物プランクトンが異常に増殖し、富栄養化が発生します。

富栄養化が発生すると、水面が緑色になるアオコを招き 、死んだ植物プランクトンが有機汚濁の原因になるなど、さらなる水質汚染を引き起こします。

その結果、水中の酸素不足などにより、他の水棲生物にも影響を与え、食物連鎖の崩壊など、生態系を破壊してしまいます。

度合

富栄養化の度合は、水中のリンや窒素の濃度を測定して判定します。

4. 有害物質の原因物質

最後に「有害物質」について 「原因物質」「汚染のメカニズム」「度合」の3つの視点から解説します。

原因物質

有害物質による水質汚染の原因物質は、カドミウムや鉛などの重金属類や、医薬品や化粧品、農薬、プラスチックなどに含まれる化学物質です。

重金属類では、カドミウムによる「イタイイタイ病」やメチル水銀化合物による「水俣病」など、様々な公害を引き起こしました。 これらは1967年に「公害対策基本法」が成立したため、大きく改善しています。

一方で現在では、フライパンなどに使われる有機フッ素化合物や、プラスチック製品などに使われるビスフェノールA(環境ホルモンの一部)が問題になっています。

どちらも自然界では分解されにくいため蓄積されやすく、発がん性も報告されており、生態系への悪影響が問題視されています。これらの物質も工場や生活排水などが大きな排出源です。

汚染のメカニズム

有害物質による水質汚染は、工場排水や生活排水が十分に処理されずに、化学物質が川や湖沼・海等に流れることで起こります。

これらの有害物質は、自然界では分解されず、魚介類の体内にも蓄積されるため、それらを食べる人間にも環境ホルモンとして巡ってきます。

排水は一般的に、下水処理場や浄化槽で処理されてから放流されますが、日本のような先進国ですら下水道普及率は8割以下という現状もあり、規制の厳しい工場排水より生活排水から水質汚染が進む割合が大きくなっています。

度合

有害物質による水質汚染の度合はSS(浮遊物質量)という数値で測定します。

SSとは、水中に含まれている不溶解性物質のことであり、SSの濃度を測定し、特定の化学物質について水質鑑定を行い判定します。

5. まとめ

水質汚染には有機汚濁、富栄養化、有害物質の3つの種類があり、それぞれ原因が異なります。

「有機汚濁」は食べ残しなどの有機物が大量に流れ込み、バクテリアが水中の酸素を大量に消費することで起こります。「富栄養化」は、トイレの排水などに含まれる窒素とリンが増え、それを養分とする植物プランクトンが異常繁殖することで起こります。これらの水質汚濁は、水棲生物の死滅など生態系に大きな影響を与えています。

一方で、「有害物質」による水質汚染は、医薬品や農薬に含まれる化学物質が原因で発生します。自然界では分解されず、発がん性など生物に有害な化学物質が魚介類にも蓄積され、魚を介して人間にも吸収されていきます。

どの汚染も人間の排水が主な原因であり、排出基準・規制の強化や、リサイクル推進・技術開発など、水質汚染改善に向けたさらなる対策が必要とされています。

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