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大気汚染

大気汚染とアレルギーの関係・主なアレルギー疾患

大気汚染とアレルギーの関係・主なアレルギー疾患

工場地帯や街道沿いなど空気が汚れている地域では、アレルギー疾患が多いと言われていますが、医学的にどのような関連があるのでしょうか。

今回は大気汚染とアレルギー疾患の関係や、日本が行っている大気汚染対策などを詳しくご紹介していきます。

1.大気汚染とアレルギーの関係

アレルギーの原因には、遺伝要因と環境要因が挙げられますが、短期間に多くの人がアレルギーを発症した場合、大気汚染などの環境要因が大きく関係していると推測できます。

実際、国立環境研究所では、ディーゼル車の排気ガスなどに含まれる大気汚染物質「微粒子(DEP)」が、アレルギーの増加と関連があると考え、微粒子(DEP)がアレルギー性喘息に及ぼす影響について実験しています。

実験では、気管支喘息を患った人間に近い状態にしたマウスに、繰り返し微粒子(DEP)を気管内投与した結果、肺に多くの炎症細胞が集まり、炎症細胞の移動を促すタンパク質やアレルギーを引き起こすIgE(アイジーイー)抗体などの増加が確認されています。

こうした実験結果から、大気汚染物質はアレルギー症状を悪化させる可能性が高いと考えられています。

2.アレルギーが発症するメカニズム

アレルギー疾患は、人間の防御機能である免疫が、本来無害であるはずのアレルゲン(アレルギー疾患を引き起こす物質)に過剰に反応することで発症します。

アレルゲンが体内に侵入すると、これを有害な異物と認識した免疫機能がIgE(アイジーイー)という抗体を作り出し、再びアレルゲンに触れると、ヒスタミンというかゆみや炎症などを発生させる化学物質が放出されます。

このように、本来はウイルスや細菌などから体を守っている免疫が、無害な物質に反応し、自身を傷つけているのがアレルギー反応です。

3.大気汚染で引き起こされる主なアレルギー疾患

ここからは、大気汚染によって引き起こされる主なアレルギー症状をみていきましょう。

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、アレルギー体質の人に多く見られる慢性的なかゆみを伴う皮膚炎です。

東北大学大学院医学系研究科の日高高徳医員(医化学分野・皮膚科学分野)、小林枝里助教(医化学分野)、山本雅之教授(医化学分野・東北メディカル・メガバンク機構 機構長)らの研究により、大気汚染とアトピー性皮膚炎の関係性が明らかにされています。

気管支喘息

気管支喘息は慢性的に気管支が炎症を起こしている状態であり、刺激になるものを吸い込むと、気管支粘膜の腫れや大量の痰が発生し、気管支が狭まることによって、呼吸が困難になり喘息発作を起こします。

発作原因となるアレルゲンは人それぞれですが、大気汚染物質が原因の方もいます。

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎とは、目の表面にアレルゲンが付着し、結膜に炎症が起こる病気です。

抗体が密集している眼球は、アレルギー症状が出現しやすい部位であり、大気汚染物質が原因で悪化するケースも多く報告されています。

例えば、自動車の排出ガスなどに含まれるPM2.5や微粒子(SPM)に付着している微生物によるアレルギー、粒子自体による眼球への刺激、汚染物質中の硫酸塩や硝酸による炎症などがアレルギーをより悪化させると考えられています。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎に罹患すると、度重なるくしゃみや水のように流れる鼻水、鼻づまりに悩まされます。

年間を通じて症状が出る「通年性」と、一定の時期にのみ発症する「季節性」に大別され、大気汚染物質が原因のものは通年性のアレルギー性鼻炎になります。

アレルゲンや刺激物が体内に入ると免疫機能が働き、異物を排除するためにくしゃみや鼻水が増加します。また、大気汚染物質PM2.5の増加や黄砂飛来に伴い、鼻炎症状が悪化することが山口大学耳鼻咽喉科学の研究で確認されています。

事実、工場地帯や街道沿いなど大気汚染が集中する地域では、住宅地や田園地帯よりもアレルギー性鼻炎になる人が多いと言われています。

4.日本におけるアレルギーに有効な大気汚染対策

かつては四日市ぜんそくなどの深刻なアレルギー疾患が猛威を振るった日本ですが、現在は着実に大気汚染が改善しており、アレルギーに有効な大気汚染対策も研究・開発が進められています。

ここでは、その研究・開発の一部をご紹介します。

大気汚染予測

現在は大気汚染物質の観測技術が進み、天気予報のようにPM2.5や黄砂の拡散予想がインターネットで配信されています。

予測情報を活用すれば、濃度が高い日は外出を避ける、マスクを着用するなどの対策が可能になり、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などを予防することができます。

大気浄化植樹

大気浄化植樹とは、大気汚染物質である二酸化窒素(NO2)や粒子状物質(PM)などを吸収・吸着する植物の浄化能力に着目し、植樹を行うことです。

高速道路や街道沿いなど、汚染が集中する場所での高い効果が見込まれており、大気浄化能力が高い樹種や効果的な植樹方法の研究が進められています。

5.まとめ

大気汚染がアレルギー疾患を悪化させていることは科学的にも立証されており、大気汚染の悪化に伴って小児を中心にアトピー性皮膚炎や喘息などが急増しています。

日本では排出ガス規制の他に大気汚染予測や植樹など、アレルギーに有効な大気汚染対策に取り組み、着実に成果を挙げていますが、依然としてアレルギー疾患は増えており、更なる汚染対策や改善のための技術開発が求められています。

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