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大気汚染

大気汚染と病気の関係、その主な病気

大気汚染と病気の関係、その主な病気

深刻な大気汚染が指摘される地域では、喘息やアトピー性皮膚炎などの疾患が増えていると言われています。

そこで今回は、大気汚染と病気の関係や、大気汚染が原因となる主な病気などをご紹介していきます。

1.大気汚染と病気の関係

大気汚染と病気には因果関係があります。

日本の例で言うと、三重県四日市市で深刻な被害をもたらした四日市ぜんそくの原因は、四日市コンビナートから排出されていた二酸化硫黄(SO2)であり、コンビナートの風下にあった塩浜地区からは二酸化硫黄(SO2)が高い濃度で検出され、呼吸器疾患に苦しむ患者が続出しました。

2.病気をもたらす主な大気汚染物質

まずは、病気をもたらす主だった5つの大気汚染物質についてご紹介します。

硫黄酸化物(SOx)

硫黄酸化物(SOx)とは石油や石炭など化石燃料が燃える際に発生する大気汚染物質で、気管支炎や喘息の原因になると言われています。

硫黄酸化物(SOx)による日本の大気汚染は、大量の石油や石炭を燃やした高度経済成長期に最も深刻化しましたが、その後は大気汚染防止法をはじめとする各種規制や対策が奏功し、濃度は減少傾向にあります。

窒素酸化物(NOx)

窒素酸化物(NOx)とは、物が高温で燃えた時に空気中の窒素と酸素が結びついて発生する一酸化窒素(NO)や二酸化窒素(NO2)などの総称で、工場や火力発電所、自動車、家庭など発生源は多様です。

窒素酸化物(NOx)の濃度が高くなると、咳や痰が出やすくなるほか、呼吸器疾患になるリスクが増大すると言われており、特に二酸化窒素(NO2)は高濃度になると呼吸器に悪影響を与えます。

光化学オキシダント(Ox)

工場の煙や自動車の排気ガスなどに含まれる窒素酸化物(NOx)や揮発性有機化合物などが、紫外線を受けて光化学反応を起こして生じるのが光化学オキシダント(Ox)です。

気象条件によっては、この光化学オキシダント(Ox)が溜まって白くモヤがかかったような状態になることがあり、光化学スモッグと呼ばれています。

この光化学オキシダント(Ox)や光化学スモッグは、目の痛みや吐き気、頭痛などを引き起こす恐れがあります。

浮遊粒子状物質(SPM)

浮遊粒子状物質(SPM)とは粒子状物質(PM)のうち、粒径10μm以下の小さなものを指します。

工場などから排出される煤塵や粉塵、ディーゼル車の排出ガスの黒煙など人工的な発生源が主ですが、土壌の飛散など自然発生によるものもあります。

粒子状物質(PM) よりも粒径が小さいため、呼吸器の奥まで入り込みやすく肺や気管支への影響はもちろん、ガンやアレルギー疾患との関連も指摘されています。

微粒子状物質(PM2.5)

微粒子状物質(PM2.5)とは、先ほどご紹介した浮遊粒子状物質(SPM)よりもさらに粒径が小さく、2.5μm以下のものです。

浮遊粒子状物質(SPM)と同様に国内の工場や自動車などから排出されていますが、粒径の細かさから、浮遊粒子状物質(SPM)以上に肺の奥に入りやすく、体外に排出されにくい特徴をもっています。

全身に行き渡り、血管や循環器などに悪影響を与えるほか、持病や体調不良を悪化させることもあります。

3.大気汚染が原因になる主な病気

次に、大気汚染によって発症しやすくなる主な3つの病気についてご説明します。

アレルギー疾患

大気汚染が様々な疾病に影響を与えることは周知の事実ですが、特にアレルギー疾患を引き起こす可能性が高いと指摘されています。

アトピー性皮膚炎の例では、大気汚染物質の刺激によって皮膚表皮の神経が過敏になり、過剰なかゆみから皮膚を掻きむしり、そこからアレルゲン物質が入り込み皮膚炎を引き起こすと考えられています。

また、アレルギー性結膜炎を患っている場合、浮遊粒子状物質(SPM)や微粒子状物質(PM2.5)などの大気汚染物質がアレルギー反応を強める補助因子となり、症状が悪化すると言われています。

呼吸器疾患

汚染物質のご紹介でも触れましたが、大気汚染は呼吸器疾患とも密接な関係があります。

肺胞の表面積は50~100㎡ですが、肺は1日あたり10㎥の空気を取り入れるため、その中に有害物質が入っているとなれば甚大な影響があることは明白です。

自動車を主な発生源とする浮遊粒子状物質(SPM)は、咳や痰が続く慢性気管支炎など呼吸器の炎症に大きく関係があるとされています。

心疾患

大気汚染には、心疾患による死亡率を高める危険性も指摘されています。

大気汚染物質の中でも特に小さい粒子状物質(PM) や微粒子状物質(PM2.5)などの微小粒子が心疾患の発症リスクを高めることが明らかとなっています。

微小粒子は肺の奥深くまで到達し、微小粒子の刺激による動脈硬化の進行、酸化ストレスや炎症などが要因となって、急性心筋梗塞、不整脈を引き起こし、心疾患による死亡リスクが増大すると考えられています。

4.大気汚染の国際的枠組み作りが急務

大気汚染による世界の年間死者数が、推計の倍以上である880万人に上ったという研究報告がありますが、これは喫煙による推計死者数を大幅に上回る数字であり、大気汚染対策が急務であることを示しています。

しかし、地球温暖化対策ほど注目されていない現状があります。直近では、2019年の世界環境デーにおいて、汚染への課税、石炭火力発電所を新設しないことなどの大気汚染対策を国連が呼びかけましたが、現時点では大きな進展はありません。

現在は、日本の大気汚染対策や日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)のように、国単位や数国レベルでの連携が主な取り組みとなっていますが、根本的な解決に向かうためには、パリ協定のような世界的な枠組みを作ることが必要です。

5.まとめ

大気汚染は様々な病気をもたらす原因となっており、硫黄酸化物(SOx)や浮遊粒子状物質(SPM)などの大気汚染物質によって世界では年間880万人以上の人が亡くなっています。

先進国では大気汚染対策が功を奏し、年々改善しつつありますが、大気汚染の根本的な解決のために、世界的な枠組み作りが求められています。

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