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大気汚染

大気汚染の影響と対策

大気汚染の影響と対策

大気汚染は現代社会の大きな課題の1つとして認知されていますが、私たちにどのような影響を与えるのでしょうか。

今回は、大気汚染の影響や対策などについてご紹介します。

1.深刻さを増す大気汚染

日本の大気汚染は1968年の大気汚染防止法の制定以降、各種規制の強化などによって改善しつつありますが、世界では途上国を中心に大気汚染が深刻化しています。

事実、米環境保護局が世界3000都市を計測した空気質指数によると、PM2.5がWHOの基準値を超えた都市は全体の64%、その内訳はインドを筆頭とした南アジア、東南アジア、東アジア、中東、アフリカが大半を占めています。

また、世界の15歳未満の子供の約93%が健康状態や発育に深刻なリスクをもたらす汚れた空気を吸っているというショッキングな報告もあり、これからの時代を担う子供たちに大気汚染の影響を与えないためにも、対策が急務となっています。

2.大気汚染の影響

ここからは、大気汚染による影響を3つの観点からご紹介します。

健康への影響

大気汚染は、健康に悪影響を及ぼしています。

影響を与える物質には、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、光化学オキシダント(Ox)、微小粒子状物質(PM2.5)などが挙げられます。

例えば、粒子が非常に小さいPM2.5は肺の奥深くまで入り込み、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器系疾患や循環器系疾患などのリスクを上昇させます。

また、光化学オキシダント(Ox)は高濃度になると光化学スモッグを発生させ、目や呼吸器などの粘膜を刺激して、目の痛みや吐き気、頭痛などの症状を引き起こします。

自然環境・生態系への影響

大気汚染は、自然環境にも悪影響を与えます。その多くは大気汚染によって発生した酸性雨が原因です。

酸性雨は雨、雪、霧などに、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などから生まれる酸性物質が溶け込み、通常より強い酸性となる現象です。

pH5.6以下の酸性を示すものが酸性雨と呼ばれますが、降り続けると木々が枯れ、川や湖沼も生物が住めない環境になります。

経済への影響

経済への影響も深刻です。世界銀行によると、2013年に約5.5億人が大気汚染により早期死亡し、その労働所得の損失は全世界で総額約2250億ドル、厚生上の損失は約5兆1100億ドルにも上ると算出されています。

1990年以降、経済は目覚ましい発展を遂げ、各国の健康環境も著しく改善されていますが、2013年の大気汚染による労働所得の損失は1990年当初と比べ40%増加し、厚生上の損失は2倍にもなっており、大気汚染が年々悪化し、経済において多大な足枷となっていることがわかります。

3.大気汚染対策

急務となっている大気汚染問題にむけて、現在はどのような対策が立てられているのでしょうか。

ここでは、世界、日本、その他団体などが行っている取り組みをご紹介します。

世界で実施されている対策

大気汚染は喫緊の課題ではありますが、意外にも2019年11月時点では大気汚染に関する世界的な協定や枠組みは存在せず、大規模なものでも多国間や二国間での協定程度であるというのが現状です。

しかし、2019年に開かれた国連の世界環境デーでは、大気汚染をテーマにホスト国の中国が環境対策を披露。その実施例を他国と共有、連携し、大国自らが気候変動に対処する意欲を示しました。

また、メキシコやボコダなど9つの政府や自治体が国際的な取り組みに参加し、2030年までに大気環境の改善を約束するなど具体的な進展がみられました。後の世界的な協定作りの足掛かりになることが期待されています。

日本での対策

高度経済成長期以前は大気汚染大国だった日本も、1967年制定の公害対策基本法、1968年制定の大気汚染防止法をはじめとする環境法が整備されたことで、硫黄酸化物(SOx)を中心とする産業公害型の大気汚染対策は着実な進展を遂げました。

しかし、近年は交通需要の増大などによって生じる都市・生活型大気汚染、越境汚染など新たな問題が顕在化してきていることから、自動車排出ガス規制の段階的な強化をはじめ、交通需要マネジメントや低公害車の普及促進などに注力しています。

その他の対策

大気環境を改善するためには、民間企業や関連団体も公害防止や環境保全に積極的かつ継続的に取り組む必要があります。

例えば、電力会社が運営する火力発電所では、石油、石炭などを燃やす際に硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)などの大気汚染物質が排出されますが、硫黄酸化物(SOx)を除去する排煙脱硫装置の設置や、燃焼温度を低くして窒素酸化物(NOx)を抑制するといった対策を行っています。

また、輸送・物流業界では低公害車の開発や導入、鉄道業・海運業では環境負荷の小さな車体、船舶に転換するモーダルシフトなどによって、大気汚染物質の抑制を図っています。

4.大気は世界共通のもの

地球を覆う大気は世界共通のものであり、国境も存在しません。それは、1つの国の大気汚染が世界に影響を与えるということを意味しています。

前章でもご紹介したように、直近では2019年6月の世界環境デーに国連が大気汚染対策を呼び掛けましたが、根本的な問題解決を目指すならば、全世界で大気汚染への意識を高め、足並みを揃えることが必須となります。

5.まとめ

日本では改善しつつある大気汚染ですが、世界では途上国を中心に深刻化が進んでいるのが現状です。

大気汚染の進行は、自然環境や人々の健康にあらゆる悪影響を及ぼすことがわかっており、世界の喫緊の課題であると断言できます。

世界では様々な協定や条約が締結され、日本でも段階的に規制強化などを推進していますが、途上国を含めた全世界で対策に取り組まない限りは根本的な改善には至らず、今後さらなる一体的な改革が求められています。

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