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地球温暖化

フロンと地球温暖化・オゾン層の関係~フルオロカーボンと環境問題~

フロンと地球温暖化・オゾン層の関係~フルオロカーボンと環境問題~

地球温暖化の大きな原因の1つとして大気中の温室効果ガスの増加が知られています。

よく知られる温室効果ガスは二酸化炭素ですが、フロンも温室効果ガスの1つで、二酸化炭素の数百倍~数万倍の地球温暖化係数(GWP)があると言われており、地球温暖化の防止のためにも排出抑制・削減に積極的に取り組む必要があります。

また、オゾン層を維持するために用いられるようになった代替フロンも温室効果が含まれており、ノンフロンへの切り替えが求められています。

そこで今回は、フロンや代替フロンの概要や抑制の動きついてご紹介します。

1.フロンとは

フロンはフルオロカーボンの通称で、主にクロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)などを指しています。

フロンは、1928年に冷蔵庫などの冷媒に理想的な気体として開発されました。油を溶かし、蒸発しやすく、人体に毒性がないという性質を併せ持っており、断熱材やクッションの発泡剤、半導体や精密部品の洗浄剤など様々な用途に活用されてきました。

しかし、CFCとHCFCの特定フロンはオゾン層を破壊することが判明し、これを受けて1987年にモントリオール議定書が採択されたことで、CFCはすでに全廃、HCFCも先進国で2020年、新興国で2030年までに原則全廃することが決まっています。

現在は、HFCに代表される代替フロンがオゾン層を破壊する塩素を持たないことから、冷蔵庫やエアコンなどの冷媒に使われています。

ただ、代替フロンでも温室効果ガスであることに変わりはなく、二酸化炭素を1とした温暖化係数は、二酸化炭素の数百~数万倍もあり、地球温暖化の原因になるとして問題となっています。

2.代替フロンのGWP(温暖化係数)

ここでは、現代の冷媒の主流となっている代替フロンのGWP(温暖化係数)を見ていきましょう。以下が、主な代替フロンのGWPです。

・R23(1万4800)
・R32(675)
・R134a(1430)
・R152a(124)
・R410A(1725)

一方、以下は主な特定フロンのGWPです。

・R11(4750)
・R12(1万900)
・R113(6130)
・R22(1810)
・R141b(725)

このように、代替フロンはオゾン層こそ破壊しませんがGWPの高さは特定フロンと大差なく、地球温暖化に与える影響は非常に大きいものとなっています。

そのため、地球温暖化の防止のためにも、これらの物質の排出抑制・削減に積極的に取り組んでいかなくてはなりません。

3.地球温暖化対策に伴う代替フロン抑制の動き

オゾン層を破壊しないことから現在、冷媒の主流となっている代替フロンですが、地球温暖化への影響は特定フロンと変わらないことから、世界的に代替フロンを抑制するための取り組みが推進されています。

今回は主な2つの取り組みについて簡単にご紹介していきます。

①.代替フロン排出規制の整備

特定フロンの代替物質として、オゾン層を破壊しない代替フロンが開発・普及してきましたが、代替フロンには地球温暖化をもたらすという次なる問題が発覚しました。

これを受け、1992年にブラジルのリオデジャネイロで地球温暖化を防止するための気候変動枠組条約が締結されました。それに基づき、具体的な温室効果ガスの排出抑制対策として、1997年に京都議定書が採択、2005年に発行されました。

京都議定書では、HFCなど代替フロンも排出規制がかかるようになり、代替フロン等3ガス(HFC、PFC、SF6)に関しては、地球温暖化目標達成計画により、1995年比1.6%減(2008~2012年の平均排出量)と定められました。

さらに、国内では冷凍空調機器から、CFC、HCFC、HFCを回収するために「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(フロン回収・破壊法)」が2001年に制定されました。

2013年になると、業務用冷凍空調機器の廃棄時におけるフロン回収義務に加え、フロン類使用機器の管理など、ライフサイクル全般にわたる排出抑制対策を規定した「フロン排出抑制法」に改正され、さらに規制が強化されました。

②.ノンフロン技術の誕生

特定フロンはもちろん、代替フロンも強力な温室効果ガスであることから、現在ではフロンを使わない技術や製品が開発されています。

国では、これらの製品の普及を促進するため、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」に基づき、国の行政機関には原則としてノンフロン製品の使用を義務づけており、民間企業でもノンフロン製品が使用されるよう補助事業を行っています。

例えば、ノンフロン型の冷凍・冷蔵空調システムでは、冷媒特性に優れたアンモニア、炭化水素、二酸化炭素が主に使用されています。

また、冷蔵庫、建材などに使用される断熱材には発泡剤としてフロンが多く使用されていますが、これをシクロペンタンなどノンフロン系の発泡剤で代替する研究が進められており、一部で実用化されています。

4.まとめ

フロンはオゾン層を破壊することから、HFCなど代替フロンが冷媒の主流となりましたが、いずれも地球温暖化には影響を与えてしまいます。

現在は、フロン・代替フロンともに世界的に規制が進められており、私たちの製品でもノンフロン化が進んでいます。

近年はオゾン層を破壊せず地球温暖化にも影響の小さい物質として、用途に応じてアンモニアや炭化水素などノンフロンの使用が広がりはじめており、地球温暖化の緩和の一助になることが期待できます。


参考サイト

環境省 “地球温暖化にも大きな影響が・・・” [フロン類等は強力な温室効果ガスでもあります]の一部を抜粋 環境省 公開日不明 (参照2019-05-25)
https://www.env.go.jp/earth/ozone/pamph/2012/0708.pdf

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