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製造現場

工場のセキュリティリスクとは?情報セキュリティ対策の進め方

工場のセキュリティリスクとは?情報セキュリティ対策の進め方

人材不足や消費者ニーズの多様化といった問題から、日本でも積極的にIoTを導入する工場が増えてきています。

確かに、製造業とIoTの組み合わせは生産効率の向上や競争力の強化などに効果的で、とても相性の良い組み合わせと言えるでしょう。

しかし、IoT導入にあたっては、情報のセキュリティリスクという大きな注意点があることを忘れてはいけません。

今回は、工場のIoT化に必須ともいえる情報セキュリティ対策についてわかりやすく説明します。

1.工場でセキュリティリスクが高まる理由

現在、日本の工場を取り巻く環境は、後継者不足、労働力不足、顧客ニーズの多様化、海外製品との競争などあらゆる問題を抱えています。これらを解決する手段のひとつとして、多くの工場でデジタル化が進められています。

しかし、データの収集や活用によって生産が効率化される一方、これまで独立していたシステムが外部とつながる機会が増えたため、情報漏洩、データ改ざん、遠隔操作といったリスクにさらされるようになりました。

特に、インターネット接続が前提となるIoT機器の導入は、こういった不正アクセスやマルウェア感染のリスクが高く、サイバー攻撃の対象となりやすいというデメリットがあります。

デジタル化やIoT機器導入を検討する際は、セキュリティ対策が必須だということを覚えておきましょう。

2.工場の情報セキュリティ対策の進め方

では、具体的にどのようにして工場をサイバー攻撃から守っていけばいいのでしょうか。一般的なセキュリティ対策の進め方は以下の4ステップになります。

①現状把握
②リスク分析
③ルール策定
④運用

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①.現状把握

まず、システムごとに現在のセキュリティルールを確認して脆弱な箇所を探していきます。今運用している制御システムの情報セキュリティや設備設計基準に、適切なセキュリティ対策が盛り込まれているでしょうか?

明確なセキュリティルールがない、それぞれの制御システムでバラツキがあるなど、対策が不十分な制御システムがある場合は、これからセキュリティ事故を起こし、被害が他のシステムまで拡大する恐れがあります。

また、セキュリティルールは内容の確認だけでなく、決められた通り運用されているか、成果が上がっているかも合わせて確認しましょう。

②.リスク分析

セキュリティ対策の現状確認ができたら、リスクの分析を行います。

一般の情報システムのセキュリティで最も重要とされるは「情報の機密性」ですが、工場の制御システムで優先すべきものは、「安全性」、「継続的な工場稼働」、「品質」であるため、それらを妨げるものは何かという視点でリスクを洗い出します。

例えば、一般の情報システムでは「顧客情報漏洩につながる脆弱性はないか」といった視点が中心なのに対し、工場の制御システムでは「製造に直結するMESデータベースやIoT機器につながるアプリケーションのセキュリティは強靭か」といった確認が優先されます。

③.ルール策定

現状把握、リスク分析が完了したら、次は制御システムを守るルールの策定です。IoTシステムのアップデート時には、規定の申請書を提出してシステム部長に承諾を得るなど、詳細に決めていきます。

ただし、作業現場のタスクが増えると製造コストが上昇するため、現場の作業員にかかる作業負荷を最小限にとどめることが重要です。

また、実際に運用する際は、現状抱えているリスクと、ルール導入によるメリットについて理解してもらえるよう、担当者にきちんと説明しましょう。

④.運用

セキュリティ対策は設定しただけでは意味がありません。実際に運用し、好ましくないできごと(インシデント)が発生した際に、迅速かつ正確に対処することで、はじめてセキュリティ対策は万全のものとなるのです。

そのためにも、日頃からセキュリティ対策の重要性を周知徹底し、インシデントの検知、調査、対処をスピーディーにできる体制を整えておきましょう。

3.工場の情報セキュリティ対策の問題

ご紹介したように工場のIoT導入の際は情報セキュリティ対策が必須ですが、いくつか問題点があります。

既存システムに影響する可能性がある

工場では、ラインごと・工程ごとに様々な制御システムが稼働し、一般のオフィスとは全く異なる特性やネットワークをもっています。

オフィスのように単一的なウイルス対策ソフトなどを導入した場合、CPUに余計な処理負荷がかかり、動作制御に悪影響を及ぼす、稼働がストップするなどの弊害が生じることがあります。

制御システムの詳細を調べずに対策だけを進めてしまうと、安全性や稼働力を損なう危険があるので注意しましょう。

現状把握の難易度が高い

通常のオフィスの場合、ネットワークの知識さえあれば情報セキュリティソフトなどを導入することは、比較的簡単に行えます。

しかし、工場の制御システムでは、ライン変更や装置交換などが頻繁に行われるケースも多く、現場をよく知らなければ、セキュリティ部門の人間であっても対応が難しい場合も少なくありません。

また、ほとんどの工場にITの専門家が常駐していないという点も、セキュリティ状況の把握を難しくしています。

安全第一・稼働第一

オフィスシステムのセキュリティであれば、事前に開発環境などを用意して運用テストを行うことが可能ですが、多種多様な制御システムを持つ工場では、テスト環境の用意は非常に困難です。

その上、工場の制御システムはひとつひとつが高価であり、危険を伴う動きをするものも少なくありません。システム故障や誤作動がないように、慎重に取り組む必要があります。

4.まとめ

工場経営を取り巻くさまざまな要因からIoT化が急激に進んでいます。独立していた制御システムが外部のネットワークとつながることで、様々なリスクにさらされるため情報セキュリティ対策が欠かせません。

工場の制御システムのネットワークは一般のオフィスネットワークとは全く異なるため、情報セキュリティ対策は、現場の状況をしっかりと把握してから行うことが大切です。

安易に適さないセキュリティ対策を行うと、制御システムの誤作動や停止など、工場運営に大きな影響を及ぼす可能性を忘れないようにしましょう。

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