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製造現場

工場の検査自動化におけるメリットと課題

工場の検査自動化におけるメリットと課題

どんなに優れた人間でも、体調不良や調子の波による作業効率の低下は避けられません。これらが原因で発生するミスをヒューマンエラーなどと呼びますが、工場の作業工程では大きなロスになることがあります。

このようなロスを防ぎ、コストも削減できる作業ロボットの導入は、我が国が抱える少子化による労働人口不足といった問題の解決にもつながるため、積極的に導入が検討されているのです。

今回は、工場の製品検査などに自動化システムを導入するメリットと問題点について解説します。

1.工場の検査自動化が注目されている背景

製造業の中でも特に重要な工程が品質検査ではないでしょうか。消費者が求める品質は年々高くなっています。しかし、現在多くの検査は人の手に頼っており、作業の効率性や人件費などに課題があります。

その点、機械による検査は時間も人件費も節約でき、体調などに左右されない安定した精度が期待できます。
このように検査機器の導入には、効率化、品質精度の向上、労働力の削減といった多くの利点が見込まれており、様々な企業から注目を集めています。

2.検査の自動化によるメリット

検査機器を導入した場合、具体的にどのようなメリットがあるのか見てみましょう。

業務の効率化

機械による検査は人間の目視と比べて格段にスピードがあがります。さらに、検査と同時に「選択、整列、セット」といったハンドリング作業も可能になるため効率化に大きく貢献します。

また、新しい検査項目に対してもプログラミングを変えるだけで即時対応できるなど応用力にも優れています。

品質と信頼性の向上

人間による検査の場合、その日の体調や疲労などによる精度の低下や経験値で個人差が生じる場合があります。しかし、機械検査では高精度の検査をキープできます。

近年の顧客が要求する高度な品質に対して、安定した精度で提供できるため商品の信頼性も向上します。

データ確保

人の手による検査では、不良個所などの情報は経験という形で担当者個人に蓄積されますが、機械の場合は結果をデータ保存して活用することができます。

例えば、不良個所のデータを他の検査機械と共有して全体の作業効率を高める、不良品の詳細データを分析して品質改善に役立てるなど、今後につながる貴重な情報が得られます。

コストカット

検査機器は導入当初こそ費用が掛かりますが、稼働後は管理が中心になり大きなコストはかからないことが一般的です。

検査の自動化によって人件費削減や不良率の低下、効率性の向上という成果がでれば、総合的なコストカットにつながります。

低コストで高品質の商品となれば市場競争力においても優位になります。

3.検査自動化の課題

一方で、検査機器の導入にはどのような課題があるのでしょうか。

カスタマイズが必要

まず、検査機器は汎用性を重視して作られているため、それぞれの工場や生産システム、製品の仕様などに合わせてカスタマイズする必要があります。

2016年にちゅうごく専業創造センターが中国地方で行った調査によると、検査の自動化を実施している企業の44.2%は、メーカーオプションを超えるカスタマイズまたはオリジナルの装置を開発したと答えています。

また、導入企業が要望する検査機器の改善点は、「検査精度を上げたい」が全体の5割近くを占め、「検査スピードの上昇」、「検査対象への融通性」などが後に続いていることからも、カスタマイズの重要性が分かります。

多品種少量生産への対応が困難

高い品質精度を保つために、検査の品目や項目は日々多様化し、部品ごとの管理も必要になっています。また、新しい品質基準が設けられる場合もあるでしょう。

そのため、詳細なカスタマイズや設定が必要となる検査機械では1台に多種多様な製品の管理を任せることは難しく、多品種・少量生産を行っている工場などでは導入が難しいと言われているのです。

実際、前述の調査では検査の自動化を阻害する要因に「多品種少量生産、変種変量が多い」という理由を挙げた企業が6割にも上り、検査機器導入のもっとも大きな課題とされています。

未熟な検査精度

検査機器自体の性能が不足しているといった声もあります。本来なら人間よりも優秀なはずの機械ですが、人間のように融通が利かないため例外的な検査対象の指定や検査項目の設定に臨機応変に対応することが難しいのです。

そのため、検査は100%自動化ではなく、検査機器の導入後もマンパワーと併用という形を取る工場が少なくありません。

中国地方の統計によれば、自動検査のみを採用している企業はわずか0.4%に過ぎず、人による検査と自動検査を併用は49.4%、人による検査のみ採用が49.4%という結果になっています。

4.検査自動化はAIがカギを握る

前述でご紹介したように、現状の検査機器で様々な課題があり、人間による検査の併用が欠かせません。それを改善する手段として期待されているのがAI(人工頭脳)です。

AIは画像や音声といった非構造化データの認識や解析が可能なため、人間が行ってきた目視・触感・音感を使った複雑な検査も自動化できます。さらに、大量のデータを学習して日々精度が上がるという特性も備えています。

検査機器にAIが搭載されれば、検査項目の自動化拡大や検査精度の向上、融通性の付加など大幅な改善が見込まれ、検査自動化の導入に大きく貢献すると研究が進められています。

5.まとめ

機械による検査自動化には多くのメリットがある反面、課題も多く残っています。しかし、高い品質を求める消費者ニーズに加え、厳しい市場競争や人員不足を乗り切るためには自動化は避けて通れません。

人に代わる性能を持つAIの導入により、自動化の壁となっていた課題も解消されつつあります。品質向上、コストカット、ヒューマンエラーの改善に、改めてご検討されてみてはいかがでしょうか。

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