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スマート工場とは|IoT導入のメリット・製造業の動向・成功事例

スマート工場とは|IoT導入のメリット・製造業の動向・成功事例

日本において工業は代表的な産業のひとつです。製造工程に合わせて開発される精密な産業用ロボットや極小サイズのネジなど、世界で高い需要を誇る日本製の商品は少なくありません。

今後も世界に通用する日本の製品を提供するために、近年はIoTを活用した「スマート工場」が注目されています。

当記事では、スマート工場の基本的な知識から、スマート工場化を図るメリット、実際の成功事例までを紹介します。

1. 製造業で注目を集める「スマート工場」とは?

スマート工場とは、コンピュータを介して各地の工場と製造ライン・工作機械などを接続し、効率的な生産体制を整えている工場のことです。

スマート工場を確立するためには、生産性を最大化するシステムソリューションとして、IoTやAI、ビッグデータの解析技術が必要となります。中でも、「効率的な生産体制を整える」という目的をきちんと達成するためには、「IoTによる現状把握」が特に重要です。

IoTとは、「Internet of Things(モノのインターネット)」の略称で、インターネットに接続することで遠隔操作などが可能となる製品全般を指します。近年では、スマホで遠隔操作できるエアコンや冷蔵庫など、IoTを活用した家電が登場しています。

IoTでは、それぞれのモノがインターネットでつながることによって、データ収集や分析、制御が可能となります。そのため、工場にIoTを導入すれば、ライン生産・セル生産という生産方式を問わず、製造現場の現状を可視化することができます。

工場の生産量や機器の稼働状況といった莫大な情報を蓄積することで、設備同士だけでなく、設備と人間の理想的な連携も実現できるでしょう。

さらに、測定器やセンサによって集められた情報をもとにFA(ファクトリー・オートメーション)機器を適切に稼働させることで、工場の生産性アップを目指すことができます。FA機器はコンピュータで自動化されたシステムや機器の総称であり、スマート工場化に欠かせない存在と言っても過言ではありません。

製造現場のどこにムリ・ムダ・ムラがあるのかを突き止めるためには、工場の現状把握は欠かせません。そうした理由から、スマート工場にはIoTによる「設備と設備」「設備と人」の接続が求められます。

2. スマート工場化を図るメリット

IoT導入により従来のスタイルからスマート工場へ移行するメリットは、見逃していた情報の可視化だけではありません。
スマート工場化するメリットには、以下が挙げられます。

リアルタイムでの柔軟な対応

各工場をネットワークで接続するため「A工場でトラブルが発生した場合はB工場・C工場で即座に生産をカバーする」など柔軟な対応が可能です。製造設備のIoT化によって複数の工場でデータを共有することで、一時的な需要の高まりに伴う大量生産にもすみやかに対応できるようになります。

データ蓄積による最適な人員配置

スマート工場で蓄積されるデータには、従業員ひとりひとりの生産能力も含まれます。各従業員の知識や技術の習熟度を分析することで人員配置を最適化し、生産力の偏りを軽減することが可能です。

技術やノウハウの数値化

収集したデータから、技術力の高い従業員と他の従業員の違いを分析し、技術やノウハウを数値化することができます。優れた技術を持つ従業員を増やすことは簡単ではありません。しかし、数値化した技術・ノウハウをスマート化した産業ロボットに反映すれば、人材不足を解消できるでしょう。

異常や故障といったトラブルの予防

スマート工場ではIoTにより日々の状況をモニタリングできるため、トラブルの予兆を早期に発見することが可能です。製造ラインの異常や機器の故障をいち早く感知することで、生産停止となるようなトラブルも未然に防ぐことができます。

3. 世界で広がるスマート工場化の波

スマート工場には生産性向上などのメリットがあることから、ドイツや中国などの工業大国を中心に多くの国々でスマート工場化が推奨されています。

・ドイツ
2011年、産官学共同のプロジェクトとして「Industry4.0」を発表しました。大量生産と同等の生産効率を保ちつつ、顧客ニーズに合わせてカスタマイズした商品の製造をコンセプトに掲げています。

・中国
2015年5月に「中国製造2025」を発表しました。2025年までに世界の製造強国入りを、2035年までには世界の製造強国の中位を目指し、建国100年を迎える2045年には製造強国のトップに立つことをゴールとする産業政策です。

・インド
2014年から「Make in India」というプロジェクトがスタートし、世界における研究開発・製造ハブとなることを目標に、スマート工場化が推し進められています。

各国によって最終的なゴールの内容は異なるものの、世界中でスマート工場化を推進する施策が講じられています。


・日本
IoTやビッグデータ、AIを主軸とした近年の技術革新は第四次産業革命と呼ばれており、日本でも第四次産業革命に伴うスマート工場化を推進しています。

たとえば経済産業省では、IoTおよびロボット導入を検討する中小企業に対し、各企業が抱える課題の改善策をアドバイスする「スマートものづくり応援隊」を派遣しています。無理に最新技術を導入するのではなく、各企業の身の丈に合った導入・活用方法を提案し、生産の効率化を支援することが、スマートものづくり応援隊の主な狙いです。

その他にもスマート工場化を目指す中小企業に設備投資費を支援する補助金制度を用意するなど、さまざまな方法でスマート工場の導入をサポートしています。

4. スマート工場の成功事例

近年は、企業の規模を問わずさまざまなメーカーでスマート工場化が進められています。その中には、生産性向上や設備開発を実現した成功事例も存在します。

最後に、従来のスタイルからスマート工場へ移行した成功事例を紹介します。

業種スマート工場を導入した目的スマート工場による成果
産業用モータ製造持続的な生産性の向上多品種を取り扱う自社工場にスマート工場によるデータ活用を取り入れ、自動化領域の拡大によって変種変量生産が従来の3倍に向上した
大手電機メーカー2,300機種の異品種少量生産への対応2カンパニー・6事業部・17カテゴリーの製品を一手に担う工場で、作業内容やデータを可視化することにより、継続的な工数削減・新たな設備開発を実現
タイヤメーカー品質を維持した状態での生産性向上AI関連技術による制御で、取り扱いの難しいゴムの材料管理からタイヤ成型までワンストップで自動化し、独自のアルゴリズムで品質の維持・生産性の向上に成功

3社はいずれも「品種が多い」「生産性の向上が難しい」といった問題を抱えていましたが、スマート工場化によって問題解決・改善に成功しています。

産業用モータ製造を担う某社は、データ活用により製造ラインの自動化領域を拡大し、結果的に生産効率が3倍に向上しました。

複数の製品を取り扱う大手電機メーカーの工場では、可視化した従業員の作業内容や機械のデータを参考に、業務効率化のための設備開発を行いました。

タイヤメーカーでは材料管理も含めた自動化を実現し、生産性が2倍に向上した上、独自のアルゴリズムによって品質も改善しています。

スマート工場は、生産性に関する諸問題を解決へ導く可能性のある取り組みです。
IoTやAI、生産技術の発展など、今後もものづくりを取り巻く環境は大きく変化することが予想されます。
未来のものづくりに対応するために、製造現場のスマート工場化がますます求められるようになるでしょう。

5. まとめ

IoTやAIを活用することで、従来の方法では把握できなかった情報を数値化し、データとして製造ラインに反映できるようになりました。IoT導入によるスマート工場化の波は、ドイツや中国をはじめとする世界中に広がっています。

他国と同様、日本でも行政主導でスマート工場化を支援する取り組みが行われており、中には設備投資を検討する企業への補助金制度もあります。企業ごとに最適なスマート工場の仕様は異なるため、行政の支援を活用しつつスマート工場化を図るとよいでしょう。

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