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地球温暖化

地球温暖化とオゾン層は関係ない?オゾン層回復の取り組みなどを紹介

地球温暖化とオゾン層は関係ない?オゾン層回復の取り組みなどを紹介

オゾン層の破壊は地球温暖化と関連付けられることが多いですが、実際には地球温暖化とどのような関係があり、どのような影響を与えているのでしょうか。

今回は、地球温暖化とオゾン層の関係性や、近年の地球温暖化抑止とオゾン層回復への取り組みなどをご紹介します。

1.オゾン層とは

オゾン層とは、酸素原子3個からなるオゾンという気体が層になったものであり、成層圏(約10~50km上空)に存在し、大気中のオゾンの約90%がこの層に集まっています。

気体であるオゾンは圧力と温度によって体積が変わります。地上と同じ1気圧0℃であれば、3mmほどになる非常に薄い層です。このオゾンが地球全体を覆っていることで、太陽からの有害な紫外線を吸収し、地上の生物を守っています。

20世紀に入ってから、南極上空でオゾンが極端に少なくなった「オゾンホール」が発見されるなど、オゾン層の破壊が世界的に進行しました。紫外線の量が増えたことで皮膚がんや白内障といった人体への影響などが取り上げられ、大きな問題となっています。

2.オゾン層と地球温暖化の関係

オゾン層と地球の温暖化には、どういった関係があるのでしょうか。

オゾン層が破壊されると、破壊された箇所から紫外線を大量に含んだ太陽光が地上に差し込み、地球の温度を上げると考えられがちです。しかし実際は、オゾン層が破壊されても温暖化への影響は、ほとんどないとされています。

国立環境研究所地球環境研究センターによると、今後予想されるオゾン層の破壊は地球全体で最大5%程度としており、オゾン層破壊によって増加する太陽エネルギーは、全太陽エネルギーに対して0.02%以下になると算出しています。

地球温暖化にはほとんど寄与していないといえるでしょう。

しかしながら、オゾン層破壊の原因物質である「フロン」は温室効果ガスの1種であり、地球温暖化に影響を与えています。

フロンは、他の温室効果ガスと比較すると、排出量は少ないものの、地球温暖化係数(GWP)が高く、二酸化炭素の数百~一万倍以上となっています。

以前、オゾン層破壊の防止策として推進された代替フロンでは、地球温暖化係数が高いという問題を解消できないという課題がありました。

そして新たに、パリ協定やモントリオール議定書キガリ改正がなされ、地球温暖化への影響が少ないノンフロンへの移行が進められています。

3.地球温暖化抑止とオゾン層回復の取り組み

ここからは、地球温暖化抑止とオゾン層回復に対する世界的な取り組みと日本の施策について、キガリ改正とノンフロンの普及に焦点をあて、ご説明していきます。

キガリ改正の発効

1987年にモントリオール議定書が採択されましたが、2016年10月にルワンダのキガリにて議定書が改正(キガリ改正)され、代替フロンについても生産量と消費量の削減義務が課されることになりました。

日本もキガリ改正に締結しており、この改正に伴い、2018年にオゾン層保護法を改正しています。この改正により、国全体の代替フロン生産量、消費量それぞれの限度について、2019年1月1日の発効以降段階的に切り下げていくとしています。

また、代替フロン削減に貢献する冷媒の製造などに対しては、インセンティブを付与するなど普及促進を図るとしています

ノンフロンの普及

代替フロンでは、オゾン層の破壊に影響はないものの、温室効果が高いというデメリットが解消できなかったため、ノンフロンの普及が進んでいます。

ノンフロンの大半は、自然界にもともとある物質を利用しており、代替フロンと比べても地球温暖化係数が非常に低いことも特徴です。冷蔵庫や空調などの冷媒に、アンモニアや炭化水素といったノンフロンを使用することで、地球温暖化防止を図っています。

日本では、ノンフロンを普及するため、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」に基づき、国の行政機関には原則としてノンフロン製品の使用を義務づけており、民間企業でもノンフロン製品が使用されるように補助事業を行っています。

4.地球温暖化がオゾン層の回復を早める?

最後に、地球温暖化が進むことによって、オゾン層の回復が早まるという見解があることをご紹介します。

温室効果ガスの増加によって地球温暖化が進むと、大気中における熱放射バランスから、成層圏では気温が低下すると考えられています。成層圏の気温が下がると、オゾン層破壊の化学反応速度が遅くなり、結果的にオゾン層の回復が早まるといわれています。

しかし、温暖化の原因のひとつであるフロンには、そもそもオゾン層を破壊する働きがあるため、一概に回復が早まるとは言えません。また、地球温暖化によりオゾン層が回復したとしても、地球環境は悪化してしまいます。

先述の通り、オゾン層の破壊と地球温暖化を抑止する対策を両輪で進めていくことが、地球の環境改善に効果的といえるでしょう。

5.まとめ

オゾン層の破壊による地球温暖化への影響はほとんどないとされていますが、フロンガスはそれ自体の特性によって温暖化の原因となっています。

オゾン層を破壊する特定フロンとそれに代わって生まれた代替フロンは、どちらも温室効果ガスとしては同等の地球温暖化係数(GWP)であることから、近年はノンフロンの普及が世界的に進みつつあります。

また、キガリ改正に同意した国々では、代替フロンの生産量と消費量の削減義務が課され、地球温暖化とオゾン層破壊の抑止として、ノンフロンが更に後押しされることになるでしょう。

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