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1.空調周辺の基礎知識

Technical Information

1.空調周辺の基礎知識

1-3.冷却の原理

冷却原理や熱の移動の法則、物質の三態についての説明をしています。

 

1-2.空調とは」のような空調を実現するためには空気を温めたり、冷やしたりする必要があります。
私たちは日常でも物を温めたり、冷やしたりしているのでとても容易に温度を変化させているように感じてしまいますが、その原理はどうなっているのでしょうか。
空調機やチラーの仕組みにもつながる冷却の原理について説明していきます。

(1)"冷やす"とは

私たちの身の回りには物を冷やす道具や装置が数多く存在します。例えば家の中を見渡してみただけでも、うちわ、扇風機、ルームエアコン、冷蔵庫などが目につきます。
これらの道具・装置は、仕組みの違いはあれど、物を冷やすという根本の原理に関して共通点があります。
暑い室内でうちわをあおぐと、風が発生することで体の周りの熱気が取り払われ、汗の蒸発により体表から熱を除去するため、涼しく感じます。

これより、冷やす=熱を取り除くということが理解できます。
また、液体(例では汗でした)が蒸発すると、熱も除去される(気化熱という、後述しています)ということも実感できます。夏の夕暮れ時の打ち水も、この気化熱を利用しています。

うちわや扇風機は直感的でわかりやすいですが、ルームエアコンや冷蔵庫も原理的には同じ仕組みです。

ルームエアコンや冷蔵庫は冷媒の性質を利用して、周囲の温度より大幅に低い温度の環境をも作り出せるようにしています。
 

(2)熱の移動(熱交換)

温度の違う2つの物が触れた場合、熱は”熱い”物から”冷たい”物へ移動します。この時、”熱い”物から見ると、熱が奪われ冷却されており、逆に”冷たい”物からみると、熱を受け取り、温度が上昇つまり加熱されたということになります。これを熱交換といい、熱は必ず熱いものから冷たいものへと移動するというのが基本原理となります。

熱交換の速度や量に関して、下記の3つの法則があります。

1.    接触面積が広い

2.    熱の伝わりがいい材質同士の方が熱の移動がスムーズ

言葉のとおりですが熱の伝わりがいい(熱伝導率の高い)材質は熱の伝わり方が早いです。
そのため、空調機の熱交換器には熱伝導率のいい銅やアルミなどを使用しています。
逆にグラスウールなど熱が伝わりにくい材質は断熱材として使用されます。

3.    熱交換する物質同士の温度差が大きい

二物質間の温度差が大きいほど熱の移動が大きくなります。熱交換を続けるにつれ熱の移動は小さくなり、やがて温度差がなくなります(平衡状態)。

これらの熱交換の法則を踏まえて、ルームエアコンのような空調機では銅管(チューブ)の中に冷たい冷媒を流し、銅管に密着させたアルミフィンの隙間に強制送風して、表面積の大きいアルミフィンと効率よく接触するようなフィンアンドチューブ熱交換器を使用していることが多いです。


フィンアンドチューブ熱交換器

熱交換器にはフィンアンドチューブ熱交換器のように液体-気体の熱交換をするもののほかに、液体-液体の熱交換をするプレート式熱交換器、シェルアンドチューブ式熱交換器などがあります。

(3)物質の三態と熱

水に熱を加えるとどうなるでしょうか。もちろん温度が上昇していきます。ところがどれだけ温めても水の温度が上昇しなくなる温度を私たちは知っています。
100℃まで温度上昇した水はそれ以上温度が上がらなくなります。その代わりに沸騰し、蒸発して水蒸気になります。また、氷に熱を加えても同様に、0℃以上にはならず、氷が完全に融解して水になるまで温度上昇しません。
逆に熱を奪うときも同様で、100℃の水蒸気がすべて水になるまで、また、0℃の水がすべて氷になるまで温度変化は起こりません。
状態の変化が起こらずに水の温度だけを変化させるのに使われる熱のことを顕熱といい、温度変化が起こらずに状態変化をするのに使われる熱のことを潜熱といいます。

水の潜熱と顕熱の大きさを比較すると、水の温度を0℃から100℃にするのに必要な熱量を100とした場合、凝固・融解(氷⇔水の状態変化)の潜熱は80、蒸発・凝縮(水⇔水蒸気)の潜熱は540となります。

他に比べて、蒸発・凝縮(水⇔水蒸気)の潜熱が突出して大きいことがわかります。つまり、物質は蒸発するときは多量の熱を周囲から奪い凝縮するときは多量の熱を周囲に放出するということになります。
空調などに使用される冷凍サイクルはこの原理をうまく利用して室内の冷房を実現しています。この仕組みについては次の項目でお話しします。

 

前の項目:1-2.空調とは
次の項目:2-1.冷凍サイクル

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