冷媒の変遷と動向

制御盤用クーラーを始めとする空調機器の「冷媒」として、過去よりフロンが使用されています。フロンという名称が広く使われていますが、フロンは日本の商標に由来する通称です。法律などではフルオロカーボンが使われています。

冷媒の変遷

CFC

クロロフルオロカーボン(炭素・フッ素・塩素の化合物)
アンモニアの代替冷媒として化学物質の研究が進められ1928年開発に成功。1980年代以降にオゾン層破壊問題が顕在化し、フロンは原因物質とされた。(南極大陸上空のオゾンホール拡大が確認されたことが起因)
1987年:モントリオール議定書により規制が採択。
<全廃>先進国1996年 発展途上国2010年

CO2

二酸化炭素(自然冷媒)
温室効果ガスとして知られていますが、HFC に比べて地球温暖化係数(GWP:「1」)が非常に小さく、地球環境に極めて優しく、かつ優れた安全性(無毒・不燃性)を有しており、フロン類の代替冷媒として採用が進んでいます。自然界に存在するCO2は自然界の循環サイクルで浄化できる自然冷媒であることも環境面での優位性が非常に高いと言えます。

HFO

ハイドロフルオロオレフィン(水素・フッ素・炭素の化合物)
HFC の代替冷媒として新たに開発された。地球温暖化係数(GWP:「< 1」)が小さく、無毒で微燃性。自動車用エアコンの冷媒を始めとして、広く採用が始まる。

HCFC

ハイドロクロロフルオロカーボン(水素・炭素・フッ素・塩素の化合物)
CFC のオゾン層破壊問題を受け、新たな冷媒として開発された。対流圏で分解しやすく、オゾン層破壊係数も低い(CFC比:1/20)ことで活用されたが、僅かながらもオゾン層破壊能力が残存しているために環境影響の観点から削減~全廃となった。
1992年: モントリオール議定書(改正)により消費量規制が採択。
1999年: モントリオール議定書(改正)により生産量規制が採択。
<全廃:予定>先進国2020年 発展途上国2030年

HFC

ハイドロフルオロカーボン(水素・炭素・フッ素の化合物)
CFC、HCFCというオゾン層破壊物質フロンガスの代替フロンとして登場した。
⇒オゾン層破壊係数「0(ゼロ)」
オゾン層保護は解決、しかし別の課題として地球温暖化に影響を与える温室効果が高い点があげられる。(GWP:「数百~数千」)
1997年:京都議定書にて「温室効果ガス」削減が採択。
2015年: パリ協定にて2020年以降の温室効果ガス排出削減等の国際枠組みが決定。
2016年: キガリ改正にてモントリオール議定書の対象物質にHFCが追加される。

アピステのノンフロン商品ラインナップ

アピステは改正フロン排出抑制法の対象外となるノンフロン商品で、ユーザーさまの管理負担と環境負荷の低減に貢献します。

ENC-GR-Pro

制御盤を熱・粉塵・湿気から
守り、生産ラインの安定稼働に
貢献。

カタログで詳しく見る
ENC-GR-eco

工作機械の主軸、油圧ユニット
の作動油を±0.1℃で精密に
温度管理。

カタログで詳しく見る
ENC-GR-SUS

業界初、ドライブレコーダーと
タイムカレンダーを搭載した
汎用チラー。

カタログで詳しく見る
ENC-GR(ノンドレン)

局所空調の温度・湿度を
精密なコントロールを
手軽に実現。

カタログで詳しく見る