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1-2.油圧作動油

油圧作動油の役割や種類ごとの特徴、冷却の必要性を説明しています。

油圧加工油とは

工業分野で使用される潤滑油には、汎用油、ギア油、スピンドル油、タービン油、軸受油などがあり、それぞれ潤滑対象物の回転数や負荷の大きさに応じて様々な性質を付与しています。
油圧作動油もそのうちの1つであり、機器の潤滑や防錆などの作用に加えて、油圧ポンプで発生する運動エネルギーを、油圧シリンダや油圧モータ等のアクチュエータに伝達する機能をもっています。
油圧ポンプの出力が大きく、断熱圧縮や油圧機器内部の摩擦で発生する熱量が大きくなるため、油圧作動油には大きな熱負荷がかかります。このため複数種ある潤滑油の中でも冷却対策を必要とされることが多いのが特徴です。

油圧作動油の役割

油圧ポンプや油圧アクチュエータ、電磁弁などが高速・高圧で制御・運転されることになります。また、運転時の油温や周辺の雰囲気、機器に使用している部品の材質等の条件を踏まえて、油圧作動油には以下の性質を備えていることが望ましいとされています。

  1. 適度な粘度を有し、温度変化で粘度が変わりにくい(潤滑性、耐摩耗性)

    油圧装置が稼働すると発熱しますが、温度変化があっても機器の摩耗を防ぎ、滑らかな  動作を保つために粘度が広い温度範囲で変化しにくいことが求められます。

  2. 金属を腐食させず、防錆作用がある
  3. 油圧機器の部品に使用するゴムや塗料など使用材料を侵さない
  4. 高温でも酸化しにくい

    作動油の酸化が進行すると、油圧機器自体も酸化しやすくなるため、酸化安定性が高い  ことが求められます。

  5. 圧縮しない

    正確な動作や位置決め精度が必要になる場合、作動油が収縮するとその分誤差が 発生してしまします。

  6. 水分離性が高い(乳化しにくい、比重が水より低い)

    水分が混入することで、油圧作動油の圧縮しない性質、防錆や潤滑性という性質を損ないます。混入した水分は油剤と混ざり合うことなく、タンク底より排出するために、乳化しづらく、比重が低くて水分を速やかにタンク底に沈められるものが求められます。

  7. 難燃性である

    機器の可能により発熱しても、着火して火災にならない安全性が求められます。

油圧作動油の種類

主な油圧作動油は大きく以下の3つに分類されます。

一般作動油

一般の油圧機器で使用される専用の作動油。
摩擦防止性・粘度のせん断安定性・酸化安定性などが油圧機器に適しています。

耐磨耗性作動油

高圧・高速で使用する油圧機器に適した専用の作動油。
摩耗・焼き付きなどを防ぎます。

難燃性作動油

一般の石油系作動油では引火・火災の危険のある油圧システムで使用する作動油。航空機用として知られるリン酸エステル系・水ーグリコール系などがあります。
作動油の種類によっては、専用の材料・シール用パッキン・塗料などを使用する場合があります。

難燃性作動油の種類と特徴

潤滑油には“燃える”という問題点があります。高い温度の熱源がある作業場で油圧装置に鉱油系の作動油が使用されている場合,この“燃える”という事から火災発生の危険があります。このような状況では,作動油を燃えにくくした難燃性作動液が使用されます。

作動油を燃えにくくする方法としては,各種の液体の中から燃焼しにくいものを採用する(合成系)事と,作動油基油に水を用いる(含水系)事とがあり,これらにより難燃性作動液として表1に示す種類のものがあります。

表1 難燃性作動油の分類

リン酸エステルは油圧サイクル内に存在するシールやパッキンに適合するか否かを確認する必要があります。また、非常に高価ですが航空機の作動油として広く使用されています。

脂肪酸エステル系は潤滑性や安定性において非常に優れており,油圧サイクル内のシールやパッキンとの適合性も良く鉱油系からの変更が簡単です。ただ、難燃性についてはリン酸エステル系よりも劣ります。

水-グリコール系は,用途的に広く使用されています。また、難燃性を確保するため水を30%以上とする必要があり、摩耗防止剤としての金属石けん、及びその安定上アルカリ調整剤が添加されるためアルカリ性となっています。従って油圧サイクル内に使用されている金属やシール、また塗料等との適合性を確認する必要があります。

W/Oエマルション系は非常に安価で油圧サイクルとの適合性や廃水処理性に優れており、実用性能上の大きな問題ないため、工場廃水の総量規制が強化されている現状において水-グリコール系の代替として採用される傾向にあります。

O/Wエマルション系は水含有量が90~95%と高く、ほぼ実用されていません。

油圧作動油の冷却が必要な理由

油圧アクチュエータが仕事を行う際の動力源はモータになります。このモータの動力の大部分は運動や力としてアクチュエータで行う仕事として伝達しますが、一部損失分が熱となり、油温を上昇させます。主な発熱源は下図のようにポンプや配管での摩擦によるものです。

油圧装置には通常このように発生した熱を取り除くための冷却機構を備えていますが、万一、冷却が不足して油温が上昇してしまうと次のような問題が発生し、場合によっては設備の稼働が止まりかねないトラブルを引き起こしてしまいます。

  1. 設備の異常停止

    ・2以下の設備稼働にかかわる重大なトラブルが発生しないように、一定以上の油温に 到達するとインターロックとして、設備稼働を停止させます。油温上昇の悪影響が 発生しやすくなる60~70℃程度で発動するのが一般的です。

  2. 作動油の粘度低下

    ・粘度の低下により潤滑性能が低下するため、摺動部分が摩耗しやすくなり、最悪の場合は焼付きが発生し、動作しなくなるおそれがあります。

    ・粘度の低下により作動油の流動性がよくなるため、アクチュエータの動作速度が速くなり、摩耗や劣化を早めたり、危機破損を誘発するおそれがあります。

  3. パッキン類の劣化

    ・摺動部分や回転部分の、または配管接続部分に使用されているパッキンなどのゴム製の部品の劣化により油漏れが発生し、ポンプやアクチュエータの動作にも影響を及ぼします。

  4. 油圧作動油の劣化(酸化)

    ・油圧作動油自体も温度が高い状態が続くと酸化が進行し、色が茶褐色に変化します。
    酸化した作動油は各種性能が低下しており、装置を腐食させる可能性がありますので交換が必要となります。交換頻度が多くなるとランニングコスト対応作業の工数が上がってしまします。

切削油剤の冷却

前項目のような悪影響を防ぐため、油圧作動油を冷却する必要があります。下図のように油圧作動油の適正温度35~55℃に保つのが理想となります。

油圧作動油の冷却方法として用いられている方法として以下の3つがあります。

  1. 空冷式熱交換器

    空冷ラジエータや空冷オイルクーラと呼ばれることもあり、管束内に作動油を循環させ、ファンで周囲空気を送り、その温度差で冷却します。周囲の空気を使用するためコスト面で優れていますが、周囲温度が35℃を超える夏場は温度差がつかないため、作動油の温度上昇を招く可能性があります。

    参考:2-1.空冷式熱交換器(液体―気体)

  2. 液冷式熱交換器

    熱交換器として、プレート式熱交換器、シェル&チューブ式熱交換器が使用されることが多いです。
    冷却水は工業用水・クーリングタワー水などを使用する場合は、大きな冷却能力を賄えますが、夏場には温度が上昇してしまい、作動油の温度が上昇しやすくなります。
    冷却水としてチラーを使用すれば、夏場でも外気温以下の冷却水が安定して供給できるので、冷却能力さえ足りていれば、油温を安定させるのに優れています。

    参考:2-2.液冷式熱交換器(液体―液体)

  3. オイルチラーによる直接冷却

    油圧作動油用の、浸漬型や直接循環型のオイルチラーも市場に存在します(弊社VSCシリーズは直接循環型のオイルチラーに該当します)。
    設置が容易ですぐに導入できコンパクトなのが長所です。
    コンプレッサを保護するため、オイルの温度が高温な状態(約50~60 ℃以上)だと、使用できないので注意が必要です。

    参考:2-3.チラーによる直接冷却

 

前の項目:1-1.切削油剤

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