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オイルの劣化について

オイルの機能と劣化について

避けられないオイルの劣化。
劣化したオイルは機器の的に変身。

オイルの劣化とは

オイルは使用している間に劣化します。劣化の主な原因は次の3つです。

  1. コンタミネーション(汚染):スラッジの発生、雰囲気やオイルミストの混入:
    摩耗によって生じた金属粉などは直接的に機器を傷め、また、混入した雰囲気やオイルミストはオイルの成分に作用して、粘度などの当初期待したオイルの性能を変化させてしまいます。
  2. 水分の混入:
    基本的にオイルの中に水分は含まない状態(0%)でないと問題です。
    オイルの質量に対して水分が0.1%以上混入していると、機器の錆の原因となるため使用することができません。
  3. 温度変化:
    高温にさらされることも多いオイルは、温度変化により酸化したり変質したりすることで劣化します。
    温度変化による劣化はオイルの変質なので、当初期待されたオイルの性能は失われていきます。

劣化した鉱油の「潤滑油添加物」は機器そのものの大敵に

「粘度について」にあったように、鉱油には必ず潤滑油添加剤が含まれます。
鉱油が新油時の機能を保っている間、この潤滑油添加剤は基油と安定的に結合して働きますが、オイルが劣化してくると潤滑油添加が基油と分離して、逆にオイルが触れる金属類を損なう働きに転じてしまいます。
潤滑油添加剤に含まれる「硫黄」「リン酸エステル」「リン酸塩」などは銅を腐食する作用があるため、オイルチラーに使用されている鋼管などにも影響を与え、機器を損なう原因となります。

種類 目的・機能 代表的含有物 添加量
酸化防止剤 遊離基、過酸化物と反応して安定な物質に変えることにより油の酸化を防止し、
酸化に起因するワニス、スラッジの生成を抑制する。
有機硫黄化合物
ジチオリン酸亜鉛
~1%
摩耗防止剤 摩耗面で二次的化合物の保護膜を形成し、摩耗を防止する。 リン酸エステル
ジチオリン酸亜鉛
5~10%
さび止め剤 金属表面に保護膜を形成する。
あるいは酸類を中和してさびの発生を防止する。
リン酸塩
エステル
~1%

こまめなチェックと交換で設備トラブル防止を。

オイルの劣化による設備トラブルを防止するには

遅かれ早かれオイルは必ず劣化し、それを防止することはできません。
注意しなければならないのは、劣化によって本来の機能を失ったり生産設備そのもののトラブルを招いてしまうことです。これを防ぐため、以下の4つのポイントを守ることが重要です。

  • 油量のチェックを毎日欠かさない
  • 補給の油を間違えない
  • 異物(水分・金属粉等)の混入を極力防止する
  • オイルの色相の変化に気をつける

オイルの色相による劣化の判定<ASTMカラーによる簡易比色法>

オイルは劣化に伴い赤っぽく色が変わります。オイルの色相による劣化判定は新油の色相(ASTM番号)に対し2.5以上濃くなった場合がおおよその酸化劣化限界となります。

ASTMカラーによる簡易比色法

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