Apiste水のはなし

第3回「水」をめぐる争い

水は人々の生活に欠かせない大切なもの。
その供給が途絶えてしまうと、農業や工業の生産量に
大きな影響を与え、人々の暮らしを脅かします。
大切な資源だからこそ、それをめぐっての戦いが起こるのです。

「水」をめぐる争い

2030年には、世界の水の需要量が供給量を約40%上回ると予測されています。水は人々の生活はもちろん、農業・工業に必要不可欠なもの。使いすぎたり汚れたりして水が足りなくなると、争いが起きることもあります。
特に、複数の国にまたがって流れる「国際河川」では、川の上流の国と下流の国のあいだで水をめぐる争いが起こりやすい傾向があります。この争いは、武力衝突にまで発展することもあるのです。

「水」をめぐる争い

川の上流側の国vs川の下流側の国

例えばチベット高地の源流から6カ国を流れ、東シナ海に注ぐメコン川。中国、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナムなどの国を流れています。
現在、川の上流に位置する中国では開発に力を入れ、次々に大型ダムを建設しています。しかしこのダムの建設によって、下流側に位置する国々の生活は大きく変わりました。タイ・ラオス国境地帯では、魚の漁獲量が減少。タイの穀倉地帯では、水不足が深刻化しています。ダムの建設によって少なくなった水資源を農業と工業とが取り合い、それぞれの生産量は頭打ちとなっているのです。さらに、ベトナムでも水量の急激な減少に伴い、海水が河川流域へ逆流する現象が起こりました。このため淡水養殖場の魚が大量死し、水不足によって農作物も枯れています。
このように、国際河川の上流域に位置する強国が思いのままに水を使うと、下流域に位置する国にさまざまな打撃を与え、それが争いへとつながるのです。

川の上流側の国vs川の下流側の国

続きはこちらから

PCU SERIES チラーユニット