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貿易の規制・取引条件

海外との取引について

輸出入規制及び取引条件(インコタームズ)に注意して、
取引契約を確定させます。

輸入規制について

輸入は原則自由ですが、必要最小限の管理・調整が行われているので、取引しようとする製品が輸入規制の対象でないかどうかを確かめる必要があります。
何らかの形で輸入が制限されている品目の場合は、輸入の承認を受ける必要があります。
ここでは輸入を規制する主な法令についてあげておきます。

  1. 国内関係法による輸入規制
    関税定率法をはじめ、各省庁が担当するいろいろな法令があります。
    関税定率法(麻薬,ポルノグラフィ,偽ブランド品,偽造貨幣)/薬事法/食品衛生法/家畜伝染予防法 /銃砲刀剣類所持等取締法/塩専売法/新食糧法/酒税法/種苗法/消費生活製品安全法/家庭用品品質表示法 /電気用品取締法/道路運送車輌法/火薬類取締法/高圧ガス取締法/毒物及び劇物取締法/アルコール専売法 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律/植物防疫法/検疫法/狂犬病予防法/肥料取締法/蚕糸業法 /砂糖の価格安定等に関する法律/文化財保護法 など
  2. 輸出入取引法に基づく規制
  3. 国際条約による規制-ワシントン条約など
  4. 国際協調活動による規制

輸出規制について

輸出は原則自由ですが、国内及び国際的な秩序を乱さないためにも、必要最小限の規制が行われています。
ここでは主な規制について例を紹介します。

  1. 国内関係法による輸出規制(石油など国民生活に影響を与えるもの)
  2. ワシントン条約など国際条約によって定められた、絶滅の可能性のある動植物
  3. 偽造通貨、風俗を害する恐れのある書籍類、麻薬、国宝など、輸出禁制品
  4. 国際紛争を起こしかねない特定国に対する核関連兵器、通信機器、工作機械、化学製品等の輸出規制品目

輸入・輸出の取引条件

輸出、輸入契約を結ぶ際、取引条件に充分に注意する必要があります。
数量、品質、支払条件、船積み期間や価格条件の設定などです。
世界共通の価格条件の設定の仕方として『インコタームズ』と呼ばれるものがあり、国際商業会議所において共通の了解事項や合意事項などを取り決め、問題が発生しないよう国際的な規制を制定しています。

主な『インコタームズ』

EXW条件(工場渡し条件,Ex Works)、FAS条件(船側渡し条件、Free Alongside Ship)

EXWは輸出者の作業所や工場、倉庫などで輸入者が貨物を引き取ることで、そこで輸出者の引渡し義務が履行されます。引渡し以降は輸入者に費用負担及び危険負担が移転します。
FAS条件は、両当事者が合意した輸出港で、輸入者が指定した船舶の船側に輸出者が貨物を置いた時点で、輸出者の貨物引渡し義務が履行されます。
輸出者の費用と危険負担は、本船船側までです。

FOB条件(本船渡し条件、Free on Board )

FOBは、輸入者が指定した船積み港で、輸入者が指定した船舶に貨物を船積みすると輸出者の引渡し義務が履行され、費用負担・危険負担が輸入者に移転します。

FCA条件(運送人渡し条件、Free Carrier)

輸入者が指定した場所または地点で、輸出者が輸入者が指定した運送人の管理下に貨物を引き渡したとき、輸出者の引渡し義務が履行され、費用負担・危険負担が輸入者に移転します。輸出者が輸出通関を行います。

CFR条件(運賃込み条件、Cost and Freight)、CIF条件(運賃・保険料込み条件、Cost,Insurance and Freight)

CFRは輸出入両者間で合意された輸入港までの船舶を輸出者が手配し、海上運賃を支払います。
CIFは、CFRと同様に、輸出者が船舶を手配し運賃を支払い、さらに海上保険料も支払うというものです。
輸出者の費用負担は、輸入港までの海上運賃と、CIFの場合は海上保険料です。危険負担についてはFOBと同様に輸出港の船舶に貨物が積み込まれた時点で輸入者に移転します。

CPT条件(輸送費込み条件、Carriage Paid To)、CIP条件(輸送費・保険料込み条件、Carriage Insurance Paid To)

CPTは、輸入者が指定した場所までの運送を輸出者側が手配し、運賃を支払います。 輸出者の引渡し義務は、運送を手配することを約束したものに貨物を引き渡した時点で履行されたことになります。
CIPは、輸送費のほかに輸入者が指定した場所または地点までの保険料を輸出者が支払います。
輸出者の費用負担は輸入者の指定場所までで、危険負担の限界は運送者に引渡した時点となります。

DAP 条件(仕向地持込渡し条件、Delivered at Place )

DAPは、合意された場所に貨物を輸送するまでの費用支払いと危険負担を輸出者が負います。貨物がその場所に到着し、荷下ろしの準備ができた時点で引き渡しが履行されます。その時点で費用と危険負担は輸入者に移転するため、荷下ろし作業における費用と危険負担は輸入者に発生します。なお、輸入通関手続きは輸入者が手配して行います。

DPU条件(荷卸込持込渡し条件、Delivered at Place Unloaded)

DPUは、輸出者は、合意された荷下ろし場所に貨物を輸送するための費用と危険負担の責任を負います。荷下ろし場所に貨物を荷下ろすまでが輸出者の責任であるため、荷下ろし作業の費用や危険負担は輸出者にあります。費用と危険負担は荷下ろしが完了した時点で輸出者から輸入者に移ります。なお、輸入通関手続きは輸入者が手配します。

DDP条件(関税込持込渡し条件、Delivered Duty Paid )

DDPは、輸出者が輸送全体のほぼすべての責任を負います。輸出者は、合意された場所に貨物を輸送するためのすべての費用と危険負担、また、商品の荷下ろしの準備が完了したことを確認し、輸出入の責任を果たす義務を負います。そのため、通関業務の手配と費用及び関税の支払いは輸出者が負います。合意された場所で貨物を下す準備ができると、危険負担は輸出者から輸入者に移ります。荷下ろし作業の責任は輸入者にあります。

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