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1.オイルミスト

Technical Information

1.オイルミスト

1-2.切削油剤とその効果

オイルミストの発生源となっている切削油剤の役割を説明しています。

(1)切削油剤とは

液体をかけながら切るとよく切れる

巻き寿司やチーズなど、包丁を少し濡らしておくとスムーズに切れます。
これは、水分による潤滑作用で摩擦が減少しているためです。雨の日に路面が滑りやすくなるのも潤滑作用によるものです。
金属を切削加工するときも同じことが言え、液体をかけながら切ることで、工作物と工具、工具と切屑の間の摩擦が減少しスムーズに切削でき、工具や被削材の摩耗も抑えることができます。

切削時には1000℃近くの高温に

切削時には、工作物と工具の摩擦により、高温になります。
高温になると工作物や工具が熱により膨張、変形したり工具の硬度が低下し摩耗が激しくなります。
そのことで仕上がった加工品の寸法精度が低下してしまうことになります。
ですから、冷却するためにも液体をかけることが必要になってきます。

分かりやすく言えば、自動車でエンジンオイルが無い場合にエンジンが焼けてしまうのと同じような原理です。

切削加工に使う液体が切削油剤

切削加工時の潤滑・冷却の作用をする液体、それが切削油剤になります。この二つ以外にも、抗溶着・浸透・錆止め・洗浄の作用も持っています。
特に大切なのは、「潤滑」「冷却」「抗溶着」の三つの作用になります。抗溶着作用は被削材と工具、工具と切屑が、切削時の高温高圧により接着してしまうことを防ぐ作用です。

目的 働き 基本性能

















寸法精度の向上 工具摩擦の抑制    
熱膨張の抑制        
仕上げ面粗さの向上 構成刃先の抑制      
切削力の低減 摩擦の抑制        
工具寿命の延長 工具摩耗の抑制    
熱劣化の抑制        
作業の効率化 切りくず処理        
工作物の冷却        
品質の向上 工作物・工作機械の錆止め        

潤滑が主目的か、冷却が主目的か

切削油剤は大きく分けると、水で希釈せずに使用する不水溶性切削油剤と希釈して使用する水溶性切削油剤に分けられます。
不水溶性切削油剤は潤滑や抗溶着を主な目的とし、高度な加工精度が必要な切削に使用されます。水溶性切削油剤は冷却を主な目的とし、引火の危険性を低減できるメリットがあります。

(2)各作用の効果

潤滑作用で切削工具の切れ味アップ

切削油剤の潤滑作用は、工具と工作物の摩耗を軽減させます。では、具体的に解説してみます。
工具と工作物、金属どうしが直接接触すると、その接触面は、実際には完全に密着しているのではなく、かすかな凹凸があり、その凹凸の突起した部分に大きな力がかかり摩擦が大きくなってしまいます。
そのため、切削油剤を工具と工作物それぞれに供給し、金属表面に油膜を作ることで、直接金属どうしが接触するのを防ぎ摩擦や摩耗を軽減させます。これが切削油剤の潤滑作用です。





また、切削時には切屑が発生しますが、切削油剤により工具の切屑側の面(すくい面)と切屑の接触面の摩擦が小さくなるほど、切屑のわん曲の曲率半径は小さくなります。
曲率半径は小さくなると、工具と切屑の接触面積は小さくなり、切れ味が良くなります。
切削時の摩擦により工具の摩耗が起きるのは、主に切屑によるもので、工具を守る上でも切削油剤は重要な役割をしています。

冷却作用で工具の摩耗を低減

切削時、切削温度は800℃から場合によっては1000℃にもなります。その熱は大半が切屑によって持ち去られますが、工具にも伝導し刃先の温度上昇につながります。
切削油剤の冷却作用は、温度上昇を抑制することで、熱による変形、軟化などから工具を守り、摩耗を低減して寿命を伸ばします。
工作物についても高温になりますが、冷却作用により、熱による膨張や変形を防ぎ、加工精度を守ります。
また、高温になった切屑は火災の原因となったり、触れたときに火傷したりと大変危険です。冷却作用は、そのような職場環境の安全にも大切な役割を持っています。

 

抗溶着作用で工具の刃先を守る

工具の刃先には、切削時に切屑の一部が溶けて付着し、硬い溶着物となります。これを構成刃先と呼びます。刃先に溶着するため、工作物の仕上げ精度が粗くなり、また、切削時に刃先の一部とともに剥がれ落ち、工具を劣化させることもあります。
特に、アルミ合金やステンレス、耐熱合金などで発生しやすくなります。
切削油剤は、刃先を油膜で守り、構成刃先の付着を防ぐ効果があります。



 

浸透作用により様々な効果を発揮

切削油剤が潤滑や冷却などの様々な作用を発揮できるのは、工具と工作物、切屑の間のすき間へと切削油剤が浸入していく作用があるからです。
切削油剤の種類により浸透性が異なります。




 

錆止め作用で機械や工具、工作物を守る

切削後の工作物は、水や酸素に反応し錆びやすい状態となっています。
切削油剤を用いることで、油膜が表面に付着して保護膜を作り、水や空気との接触を防ぎます。また、環境問題の視点から水溶性切削油剤が使われることが多くなってきており、工作物だけではなく工具や工作機械にも影響を与えやすくなっていますので、切削油剤の種類や性質をよく検討することが必要になってきています。



 

洗浄作用で工具の損傷を低減

切削時に切屑が工具と工作物の間に挟まったり、付着することを切削油剤により洗い流して防ぎます。
また、切削時に発生する微細な切屑が周囲に飛び散ることも防げるため、職場環境を清潔に、安全に保つ効果もあります。

 

 

前の項目:1-1.オイルミストの発生とその影響
次の項目:1-3.切削油剤の種類

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