技術編 「どこで調べたらいい?」をここで解決!ニッチな技術情報集

サーモグラフィの校正について

赤外線とサーモグラフィについて

校正の仕組み

赤外線サーモグラフィのトレーサビリティ体系図は一般的に以下のようになります。
通常は、JCSS認定の放射温度計によって校正された黒体炉を複数個用いて、温度校正が行われます。

赤外線サーモグラフィ校正の仕組み
  • 国家計量標準〈 産業技術総合研究所 〉
  • 二次標準/実用標準〈 登録/認定事業者 〉
  • 二次標準/実用標準
  • 基準黒体炉〈 放射温度計メーカー 〉
  • 赤外線サーモグラフィ〈 赤外線サーモグラフィメーカー 〉

面積効果

面積効果

放射温度計測では、測定対象物の大きさの違いによる面積効果が存在します。これはレンズ表面の反射によるもので、原理的になくすことができません。図のように測定対象物のA点から出た赤外線が、マイクロボロメータ上のA’点に、B点から出た赤外線がB’点に結像される光学系において、B点から出た赤外線の一部がA’点に入ることが要因となります。この結果、B点の温度がA点の温度計測に影響を与えます。これを面積効果といいます。


校正の注意点

校正の注意点

放射温度計測において、同じ温度の対象物でも熱画像のサイズにより、面積効果で計測結果に誤差が生じます。撮影される熱画像のサイズを決める要因として、温度校正時における下記の3点があげられます。

  • 黒体炉のアパーチャサイズ
  • 測定距離
  • レンズ視野

赤外線サーモグラフィが選ばれる理由

放射温度計の場合非接触で、1点を計測
  • 計測ポイントは1点のみ
  • 多点での計測の場合、
    複数の放射温度計が必要
  • 広範囲の温度計測は困難
熱電対の場合接触で、1点を計測
  • 計測対象物に対し、接触させて計測
  • 計測ポイントは1点のみ
  • 多点での計測の場合、
    複数の熱電対が必要
  • 微細な計測対象物に
    対してセッティングが
    難しい

赤外線サーモグラフィ FSV-2000 Series

赤外線サーモグラフィ FSV-2000 Series

非接触、かつ面で計測

Point

  • 1台で110,592台の放射温度計に匹敵
    (解像度384×288ピクセルの場合)
  • 非接触で、移動する被写体も撮影可能
  • 面で捉えた全体像からさまざまな判定が可能
  • 微細な対象物も非接触で撮影可能

モニタリング・判定

モニタリング・判定

最大100項目の計測結果を表示可能、また計測・判定の結果を表示可能です。

  • ホットメルトの良品判定
  • 溶接箇所の温度分布
差画像処理

差画像処理

マスター画像との温度差を熱画像として表示可能。良品との温度差を確認できます。

  • 金型温度の計測
  • 成形品の割れ検知

計測設定

計測設定

最大179のエリア、ライン、スポットの計測設定が可能。自在の計測パターンを実現可能です。

  • フィルム温度分布定
  • 火災検知
熱解析ツール

熱解析ツール

熱画像の解析・保存をEXCEL上から操作可能。簡単に熱解析が行なえます。

  • LEDの放熱評価
  • プリント基板の熱解析

技術編