サーバの熱対策について
サーバー冷却について
多くのサーバ(ラック・ルーム)で熱対策が不十分
約半数が自社サーバの熱問題を認識。
しかし6割は特に対策なし。
サーバを運用されている企業にお聞きすると、約半数が何らかの形でサーバの「熱」について問題を感じておられます。一方、その対策をお聞きすると「一般フロアの空調の流用」と「特になにもしていない」を併せると約6割に。
IT関連の省エネ・省コスト化のカギは「サーバ熱対策」。
2025年には、国内総発電量のうち20%超がIT機器に使用されると予測されています。
現在のデータセンタの電力用途内訳をみると、全体100%のうちサーバ等の機器に使用される電力が35%程度なのに対して、サーバ冷却などの空調に要する電力の割合が40%程度を占めていると考えられています。
IT関連の省エネ省コストを考える上で、サーバの熱対策は最も重要な課題といえます。
サーバ(ラック・ルーム)熱対策のポイントは
「熱を局所に溜めない」
ルーム全体の冷房より、局所に溜まる熱を逃がすことを考える
サーバの熱対策としてまず思いつくのは空調ですが、サーバラック、サーバルームにあるサーバを考えると、極めて限られた場所で発生する熱を除くためにスペース全体の空調を強めるというのはエネルギーを消費する割に効果が小さく、エネルギーの無駄です。
サーバルーム・サーバラック内に空気の流れをつくる
サーバを冷却するうえで大切なことはサーバラック、サーバルームの空気に流れを与えて、局所に溜まった熱を逃がしてやることです。そのためには、エアフロー(空気の流れ)を考慮したラックや空調設備のレイアウト、コールドアイル(冷気の通り道)とホットアイル(暖気の通り道)を分けるようにラックの向きや列をそろえることが必要です。
さらに、サーバは通常前面から冷気を取り込み背面から排熱するので、ラック前面を冷気の届きやすい方向に向けて配置します。また、ホットアイルに排気口を設けて速やかに排気することが非常に重要です。
空調の強さは全体の熱量で決める
サーバの高性能化・高集積化と同時にサーバ仮想技術が実用的になり、多数のサーバを統合、集約するケースは増えていますが、サーバやサーバラックの数が減ったことで空調機器の規模の縮小を考えるのは早計です。
特にブレードサーバの場合、熱対策の重要度はかえって増しています。
従来ならサーバラック1本あたり2〜3kw程度のものがブレードサーバの場合筐体1台が10kw以上というものも多く、このような場合、空調を縮小するどころか、より高性能なものに変更する必要性が生じる場合もあります。
サーバルームの空調はできれば床下送風型か床置き型で
IT機器用の空調機には、床置き型、床下送風型、天吊り型などのタイプがありますが、サーバルーム全体を想定した場合、複数のラックに効率よく冷気を送ることのできる床下送風型か床置き型が望ましいといえます。天吊り型は効果が局所的なりやすいため、サーバルームには不向きといえます。