技術編 「どこで調べたらいい?」をここで解決!ニッチな技術情報集

オイル機能の基本

オイルの機能と劣化について

工場などで様々な用途に利用されるオイル。
オイルの特性を知ることは現場を管理するうえで大変重要です。

オイルには多くの種類があり、その用途も多彩です。
特に製造現場では、様々な機器類の潤滑剤として、また、各種油圧装置の動力伝達媒体としてなど多様な目的でそれぞれ異なる種類のオイルは使用されています。
このような使われ方をしているオイルは、使用目的に合わせてベースとなる炭化水素系のオイルに様々な添加物を加えてつくられているものですが、その用途に合わせてつくられたオイルの特性は、温度や加えられた添加物及び混入した物質、また、経時的な変質などにより変化します。
本来用途に合わせてつくられたオイルの特性が変化してしまうと、期待した機能を充分に発揮しなくなるため、工程に支障が生じるだけでなく最悪の場合大切な製造機器類を破損してしまうことにもつながります。
本巻では、このようなオイルの変化について理解を深めていただくための情報をまとめてご紹介しています。

オイルの役割と種類・成分とその特性

オイルの働きの核心は「粘度」にあります。

工業用に使用される「オイル」は一般的に「鉱油(石油系炭化水素=天然成分)」と、「合成油(自然には存在しない人口的に加工しつくられたもの)」があります。
オイルチラーに使用できない「難燃性」「水溶性」のオイルなどは「合成油」に含まれます。
工業用のオイルには下の表のように、用途に合わせて様々な種類のオイルが用意されています。
工業用に使用されるオイルの役割は様々ですが、オイルが持っている最も基本的な機能はその「粘度」によるものです。
そのオイルの粘度に最も影響を与えるのが「温度」。温度が上がると粘度が下がりますが、粘度が下がると、期待されるオイル本来の機能を果たせなくなるため、オイルの冷却が必要となります。

工業用の「油」の種類

  • ●潤滑・冷却・腐食防止(防錆)など
    汎用油(マシン油)・潤滑油・スピンドル油・ダイナモ油・シリンダー油・タービン油・油圧作動油(ブレーキフルードなど)・軸受け油・ギヤー油・摺動面潤滑油・冷凍機油・コンプレッサー油・熱媒体油・熱処理油・グリースエンジンオイル・切削油・絶縁油・シリコーン油

「潤滑油添加剤」を含まない「鉱油」はありません。

一般に「潤滑油」「作動油」として使用されている「鉱油」は天然成分(基油:ベースオイルと呼ばれる)のままでは機能として不十分なため、様々な機能を持つ「潤滑油添加剤」が配合されています。
この「潤滑油添加剤」には酸化防止、摩耗防止、さび止めなど潤滑油としての要求を満たすための成分(化合物)で構成されています。 「鉱油」にはこのような「潤滑油」添加剤を含まない物はありません。

オイルの「劣化」はオイルそのものの機能を失うだけでなく、
機器の害になることも。

工業用油は、酸化をはじめとする変質、水や粉塵など異物の混入などの様々な原因で劣化します。
劣化したオイルは当初期待した機能を失うだけでなく、使用している機器そのものやオイルチラーなどの関連機器類に害を及ぼす場合があります。
このため、オイル劣化には細心の注意を払うことが必要です。

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