フロン規制の動向

厳格化が進むフロン規制

業務用冷凍空調機器の冷媒に用いられるフロン類は「地球温暖化」に大きな影響を及ぼすことから国際的に対策が進められています。
2016年の第28回締約国会合(MOP28)では代替フロンの生産量・消費量の段階的な削減が義務付けられ基準値の85% 分を削減するとともに、より温室効果の小さな冷媒への転換が必要です。
日本国内においては、2015年に「フロン排出抑制法」が施行され、チラーを始めとした空調機器は法律で定められた点検・管理報告が義務付けられました。
さらに2020年には同法が改正され、違反時には直接罰が適用されるなど、ユーザーの管理負担が高まっています。このようにフロン類を取り巻く規制は今後も厳格化され、日本の脱炭素社会の実現に向けて、製造業におけるノンフロン化の推進が望まれています。

我が国の代替フロン削減スケジュール

※基準値:2011-2013年度実績の平均値から計算

我が国の代替フロン削減スケジュールのグラフ

世界的なフロン規制の取り組み

世界的なフロン対策

オゾン層保護
1974年
フロンによるオゾン層破壊メカニズムの解明
1987年
「モントリオール議定書」採択
オゾン層破壊をもたらすフロンなどの生産および消費を規制
CFC:2009年末で全廃
HCFC:先進国では2020年、途上国では2030年に原則全廃
地球温化防止
1997年
「京都議定書」採択
先進国に対して温室効果ガスの排出量削減を義務化
排出削減対象ガスにHFCも含まれる
2015年
「パリ協定」採択
2020年以降の温室効果ガス排出削減などのための国際枠組み
先進国・開発途上国の区別なく取り組む
米国はトランプ政権で離脱したが、バイデン政権で復帰
2016年
「キガリ改正」採択
モントリオール議定書の対象物質にHFCを追加
HFCについても生産および消費を規制

キガリ改正に基づくHFC削減

ルワンダの首都・キガリで開催された第28回締約国会合(MOP28)で採択されたキガリ改正により、CFC・HCFCに対しての規制と同様、HFCに対しても生産量・消費量の段階的な削減が義務付けられました。(※具体的な削減スケジュールは下記参照。)
日本では2019年から削減を開始し、2036年までに85%分を削減しなければなりません。

  先進国※1 途上国第1グループ※2 途上国第2グループ※3
基準年 2011-2013年 2020-2022年 2024-2026年
基準値
(HFC+HCFC)
各年のHFC生産・消費量の
平均+HCFCの基準値×15%
各年のHFC生産・消費量の
平均+HCFCの基準値×65%
各年のHFC生産・消費量の
平均+HCFCの基準値×65%
凍結年 なし 2024年 2028年※4
削減
スケジュール※5
2019年:▲10%
2024年:▲40%
2029年:▲70%
2034年:▲80%
2036年:▲85%
2029年:▲10%
2035年:▲30%
2040年:▲50%
2045年:▲80%
 
2032年:▲10%
2037年:▲20%
2042年:▲30%
2047年:▲85%
 

※1:先進国に属するベラルーシ、露、カザフスタン、タジキスタン、ウズベキスタンは、規制措置に差異を設ける。
(基準値について、HCFCの参入量を基準値の25%とし、削減スケジュールについて、第1段階は2020年5%、第2段階は2025年に35%削減とする。)

※2:途上国第1グループ:開発途上国であって、第2グループに属さない国。

※3:途上国第2グループ:印、パキスタン、イラン、イラク、湾岸諸国。

※4:途上国第2グループについて、凍結年(2028年)の4〜5年前に技術評価を行い、凍結年を2年間猶予することを検討する。

※5:すべての締約国について、2022年、及びその後5年ごとに技術評価を実施する。

欧州のHFC削減スケジュール

Fガス規制により、欧州内の市場で販売されるHFC量は毎年上限が決められています。
HFC生産者及び輸入業者は、欧州委員会によって毎年割り当てられる量以上を販売してはならず、この割当制度は2015年から始まっています。
今後もHFCの供給制限が強化される計画がされており、HFC代替冷媒への切替がさらに進むと予想されます。

欧州の代替フロン削減スケジュール

基準値(100%)=2009年から2012年の平均値

欧州のHFC削減スケジュールのグラフ

※経産省 平成27年度委託調査事業報告より

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